軍艦島(画像は Yuki Hayashi / flickr )
日本政府が世界文化遺産として、「明治日本の産業革命遺産」の登録を目指している。
これに対し、中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官が、申請に含まれる一部の工場で、中国人・韓国人が徴用されていたことを念頭に、「(日本の登録は)強制労働を見て見ぬふりをするものだ」と批判。登録の可否を判断する国連教育文化機関(ユネスコ)の委員会に「責任ある方式での処理」を求めた。このほど、産経新聞が報じた。
中国の批判に先立ち、韓国当局も今月4日、「産業革命施設だけで美化して登録するのは、世界遺産条約の基本精神に反する」と日本に抗議していた。両国が問題視するのは、中韓の労働者が多数いた長崎県・端島(いわゆる軍艦島)などの遺産だ。韓国側は、「地獄島」と揶揄し、日本を批判している。
だが、日本政府が申請しているのは、明治時代の遺産だ。中韓が持ち出している問題は、主に昭和時代に関係する話であり、的外れの指摘であると言わざるを得ない 。ただ、仮に両国の主張を議論するにしても疑問が残る。