ギリシャは国際通貨基金(IMF)への返済期限が6月30日だった15億ユーロを返済しなかったと、IMFが1日に発表しました。IMFは「延滞」と表現しましたが、これは事実上のデフォルト(債務不履行)と言えます。

2009年に信用危機に陥ったギリシャは、欧州連合(EU)や欧州中央銀行、IMFの3つの機関(3つを合わせてトロイカと言います)から融資を受けています。その一方で、追加支援に際してトロイカが新たに求める緊縮財政を受け入れるか否かを決める国民投票を、5日に行います。チプラス首相は、国民投票が「緊縮財政に反対」という結果になることや、債務の減免を望んでいます。

これに対して、「緊縮を受け入れないなどとんでもない!」「ギリシャ、EU脱退か?」という意見が多く見られます。「ギリシャの改革実行を見届けた後で、債務減免を検討すべきだ」と、あくまで緊縮財政を求めているIMFとは、そもそもどのような組織なのでしょうか。

IMF設立の目的は「経済の拡大」

IMFは、第二次世界大戦中から、「戦後の国際金融の安定を図る仕組みが必要だ」として議論され、1946年3月に設置されました。もともとは、第一次世界大戦後、限られた国々との間に貿易を限定する目的で、他の国々との間で関税を非常に高く設定する、ブロック経済化が進む中で世界経済が悪化したことを反省して、経済体制を拡大するために設立されたものです。