今年の夏、安倍晋三首相は「戦後70年談話」を発表する予定です。

この談話は、90年代に相次いで出された、先の大戦で日本軍が慰安婦を強制連行したと認めた「河野談話」と、先の大戦で日本がアジア諸国を侵略したと謝罪した「村山談話」の趣旨を踏襲するか否かという点で、注目されています。

安倍首相は、政府の公式見解とする閣議決定を見送るという報道もありますが、今回はこの「河野・村山談話」の底流に流れ、また、多くの日本人が「先の大戦で日本は悪いことをした」と思い込むきっかけとなった「東京裁判」について考えてみます。

問題だらけの東京裁判

東京裁判の正式名称は、「極東国際軍事裁判」です。この裁判では、戦前・戦中の日本の指導者28人が「主要戦争犯罪人(A級戦犯)」として裁かれました。最終的には、25人がA級戦犯として判決を受け、そのうち東條英機元首相など7人が絞首刑となりました。

この裁判は、当時から多くの問題点を指摘されています。今回は、その問題を大きく3点に絞って紹介します。