評論家・作家

宮崎正弘

プロフィール

(みやざき・まさひろ)1946年石川県生まれ。早稲田大学中退。編集者を経て、83年に論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュには定評がある。中国ウォッチャーとして中国33省を踏破。『中国・韓国を本気で見捨て始めた世界』(徳間書店)など著書多数。最新刊に『「アジアインフラ投資銀行」の凄惨な末路』(PHP研究所)がある。

中国が設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)。経済面でも存在感を強める中国の狙いはどこにあるのか。

現在書店で発売中の本誌7月号の特集「2023年 習近平が世界を支配する」では、中国全33省を踏破してその内情をウォッチしている宮崎正弘氏にAIIBなどについてインタビューを行った。紙幅の関係で掲載できなかった、中国の内情についての内容を2回に分けて紹介する。第2回は、中国のGDPについて。

中国のGDPはあくまでも「作文」

――最近、中国の電力消費量などが落ちていまが、中国が発表しているGDPは7%の経済成長を示しています。なぜでしょうか。

宮崎正弘氏(以下、宮崎): あれは作文です。誰も信用していません。地方政府が完全に水増ししているし、統計の取り方もおかしい。私の推計では中国のGDPは今、日本と並ぶか、日本よりちょっとだけ多いくらいでしょう。