ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャ族を乗せた密航船が漂流している問題で、関係国や国際機関による対策会議が29日、タイのバンコクで開かれた。会議にはミャンマーや、密航船が漂着するインドネシア、マレーシア、タイなど17カ国が参加。日米とスイスはオブザーバーとして参加し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際移住機関(IOM)なども加わった。

ミャンマー政府は批判に対して反発

UNHCRは、ロヒンギャ族の漂流問題はミャンマー国内で行われている「ロヒンギャ族への迫害」が根本原因であり、「ミャンマー政府はロヒンギャ族に市民権を与えるべきだ」と述べた。これに対し、ミャンマー政府は「ロヒンギャ族はバングラデシュからの不法移民だ」とする従来の立場を強調し、「我が国を糾弾すべきでない」と反発した。

IOMによると、今月上旬以降、約4000人のロヒンギャ族がインドネシア、マレーシア、タイに漂着し、約2000人が受け入れを拒否され、漂流しているという。これらの国が受け入れを拒否する理由は、大量の難民・不法移民の受け入れることによって、国内の仕事を奪われることを懸念しているためだ。

ロヒンギャ族は、19世紀に英領インド東部(現バングラデシュ)から英植民地のビルマ(現ミャンマー)に移住したとされる。しかしミャンマー政府もバングラデシュ政府も市民権を認めておらず、130万人が無国籍のままだ。さらに、移住や雇用を制限されたり、子供も2人までしか生めないなどの差別を受けている。

殺人事件が村を巻き込む暴動に発展

ロヒンギャ族の漂流問題がここまで深刻化したきっかけは、2012年に仏教徒女性がロヒンギャ族の男性に強姦、殺害された事件だ。それに報復する形で仏教徒がロヒンギャ族10人を殺害。宗派対立が周辺に広がっていき、双方の住民の一部が暴徒となって村や地区を襲撃した。政府は双方の暴力行為を野放しにしていたが、最終的に、ロヒンギャ族に対して、治安部隊が殺人、強姦、身柄拘束などを行った。

以降、タイに密航し、イスラム教徒の多いマレーシアに陸路で向かうロヒンギャ族が相次いだ。最近、タイ政府が密航船の取り締まりを強化したため、ロヒンギャ族はマレーシアやインドネシアにまで漂流することとなった。

本来ならば、初めの強姦・殺人事件は刑法で処罰されるべきもの。それが報復に次ぐ報復により暴動に発展してしまった背景には、宗教が絡む根深い対立がある。イスラム教も仏教も、多くの人の心の拠り所となる世界宗教だが、互いに異教徒として理解できないでいる。

仏教もイスラム教も同じ地球神が指導した

地球には地球神が存在し、その指導の元、世界宗教が生まれたというのが、宗教的な真実だ。イエスや仏陀、ムハンマドなども、生前、地球神から指導を受けながら教えを説いていた。ミャンマーの仏教徒もイスラム教徒であるロヒンギャ族も、元を正せば同じ地球神から流れ出た教えを信じている。こうした霊的真実の観点を知り、互いを理解しようとする必要がある。(泉)

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