「もしもし」と言って、相手にそのメッセージが届くのに12分かかり、相手の返事が自分に届くまでさらに12分かかったとしたら、会話は成り立つだろうか。誰しも「やってられない」と思うだろう。

しかし、人類が将来、火星に基地を造り、地球と交信しようとした場合、光で通信しても片道平均12分ほどの時間がかかる。また、太陽系に一番近い恒星は4光年先にあるため、太陽系を出ていちばん近い星に着いたとすると、地球にメッセージを送るのに4年かかる(もちろん返事が来るのにまた4年かかる)。

アインシュタインが提唱した特殊相対性理論によると、光の速度は一定(秒速30万キロ)で、その速度を超えることはできない。つまり、情報も、光の速度以上で伝えることはできない。

宇宙航行するなら通信手段も進歩が必要

今年は宇宙映画が多い年だが、人類が実際に宇宙に出て行こうと思ったら、宇宙航行の方法だけではなく、通信手段も、現在の常識を超える進歩を遂げる必要があるわけだ。