68回目の憲法記念日にあたる5月3日、幸福実現党が憲法改正に関する声明を出した。

要旨は以下の通り。

  • 戦後日本の平和と繁栄は「平和憲法の恩恵」と見る向きもあるが、自衛隊の存在と日米同盟による抑止力によるもの。「自分の国は自分で守る」体制整備に取り組むべき。
  • 幸福実現党は立党直後から「新・日本国憲法 試案」を世に問うてきた。
  • 憲法改正を断行するには、その足かせとなる自虐史観の見直しは避けて通れない。安倍首相は、今夏に発出する新談話において、正しい歴史観に基づく日本の姿勢を内外に示すよう求める。

NHKが先月に行った世論調査によれば、「憲法を改正する必要があると思う」が28%で、「改正する必要がない」の25%と拮抗した。一昨年の調査では、憲法改正に肯定的な人が否定的な人を大きく上回っており、この2年あまりで憲法改正議論が大きく後退していることが分かる。

NHKの調査によれば、「憲法改正の必要がない」と答えた人が挙げた理由で最も多かったのは(67%)、「憲法9条を守りたい」というもの。こうした意見は「平和を守りたい」という願いから来ているのだろう。だが、現在の日本を取り巻く状況を見れば、憲法9条を改正しなければ平和が守れない。

たとえば、海外で日本人が紛争に巻き込まれた時、現在の憲法では自衛隊を派遣できない。自衛隊が安全確保のために武器使用ができるのは、正当防衛と緊急避難の場合に限られているため、紛争地域で救出活動を行うのは事実上不可能だ。

さらに、集団的自衛権の発動においても「日本の存立が脅かされる危険がある場合」など、限定されている。ゆえに、日本と関係の薄い地域においてアメリカが攻撃されていても、日本は何もできないだろう。だが、同盟国であるアメリカが攻撃されれば、その危険はいずれ日本にも及ぶ可能性が高い。

南シナ海での有事に対しても「日本の存立が脅かされるかどうか明確ではない」といっていては、シーレーンが押さえられ、エネルギーや食糧の輸入が止まってしまうこともありうる。

結局、憲法9条がある限り、小手先の対応にとどまり、「自分の国を自分で守る」ことができないのだ。

日本が戦後、GHQに押し付けられた憲法をなぜ大事に守っているのかといえば、「先の戦争で日本は悪いことをした」という自虐史観が根強くあるからだ。日本が悪魔の国であったならば、軍事力強化は周辺諸国の警戒の対象となる。一方、先の戦争は自衛のために戦ったものであり、かつ「植民地解放」という大義を掲げて戦っていたならば、憲法9条の改正は、主権国家として当たり前の自衛権を備えたに過ぎない。この点、党声明にあるように、自虐史観の払拭と憲法9条の改正は裏表の関係にある。

戦後70年の今年、歴史認識問題に決着をつけ、来年の参院選に向けて憲法改正議論を進めていくべき時だ。(佳)

【関連サイト】

幸福実現党公式サイト 憲法記念日にあたって(党声明)

http://info.hr-party.jp/press-release/2015/4208/