経済学者
鈴木真実哉
プロフィール
(すずきまみや)1954年生まれ。早稲田大学大学院を修了。金融論、貨幣論、シュンペーターやハイエク理論を研究。主な著書に、『格差社会で日本は勝つ』(幸福の科学出版)、『カオスの中の貨幣理論』(共著、雄松堂出版)などがある。2015年開学の私学ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)経営成功学部のディーンを務める。
「格差批判はなぜ問題なの?」
「どうすれば国は豊かになるの?」
「金融は危ない稼ぎ方なの?」
こうした疑問について考える中で、経済学の基本的な考え方を学ぶことができる。
本コーナーでは、4月に開校した私塾「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)」の経営成功学部ディーンの鈴木真実哉氏に、経済の諸問題について話を聞いていく。第3回は、経済成長について。
今日のポイント
- ピケティの最大の間違いは「創造する頭脳」を無視したこと
- アメリカを繁栄させたのは資金でも土地でもない「智慧」だ
- 起業家教育と信仰教育が「創造する頭脳」を開花させる
ビル・ゲイツらは自分の智慧やアイデアを使って、富を築いた
――鈴木先生は、「創造する頭脳」という考え方が、ピケティへの打ち返しになるとおっしゃっていますが、具体的にはどういうことでしょうか。
鈴木真実哉氏(以下、鈴木): まずピケティの主張に触れておきます。企業や個人が持つ株などの資本は投資などで増えます。そのスピードである「r(資本収益率)」が、給料の増え方である「g(経済成長率)」より大きい。だから格差が開く――。それがピケティの最終命題です。
彼の最大の間違いは、資本の中にお金や土地だけを入れて、人的資本を考えていない点です。