戦艦「朝日」から見た、バルチック艦隊との決戦に出撃する連合艦隊(Wikipediaより)。

今から111年前の1904年2月、日露戦争が勃発。そこでいかに日本陸軍が活躍したかについては、以前本欄で紹介しました。日露戦争は、白人優越主義を破った世界史上初の出来事でしたが、今回は、日本海軍の活躍に注目します。

「東洋のネルソン」の活躍

日本海軍が、世界一と謳われたロシア艦隊(いわゆる「バルチック艦隊」)に勝利した要因は様々あります。特に、東郷平八郎提督がとった、敵艦隊の目の前で船首の向きを変え、一斉に砲撃を行った「丁字戦法」は有名です。独創的な戦法は見事にはまり、ロシア側は21隻が沈没し、6隻が捕獲される一方、日本側は小型艦艇の沈没などわずかな被害で、大勝利を収めました。

東郷提督は、当時、世界中でナポレオンを打ち破ったイギリス海軍の指揮官であるネルソンにちなみ、「東洋のネルソン」ともてはやされました。興味深いことに、ネルソン提督は、フランス艦隊の横っ腹に突撃して勝利しましたが、逆に東郷は、敵側に艦隊の横っ腹を見せる形で砲撃したという意味では、真逆と言えます。