2015年4月号記事

イスラム・テロをなくす道 2

イスラム国の「正義」

日本は欧米と中東の仲裁者たれ

パリのシャルリー・エブド紙襲撃事件に続き、

「イスラム国」による日本人人質殺害事件が起きるなど、

年初からイスラム過激派によるテロが相次いだ。

先月号に続き、イスラム・テロをなくす道を考えていきたい。

(編集部 大塚紘子、長華子、河本晴恵、冨野勝寛)


contents


Part2

イスラム教 vs. キリスト教

敵を悪魔と断じる一神教同士の激突

中東地域の混乱の根底には、アラブ諸国のイスラム教と、欧米のキリスト教の対立がある。この戦いを終結させ、世界平和を実現する道は存在するのか。宗教対立という側面から、イスラム・テロについて考え、融和の可能性を探った。

Interview

イスラム教やユダヤ教に関する多数の著作で知られる加瀬英明氏に話を聞いた。

宗教対立解決の鍵は日本の「和」の精神

外交評論家

加瀬英明

(かせ・ひであき)

1936年、東京生まれ。77年から福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長を経て、現在は国内外での講演・執筆活動を行う。『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社新書)、『加瀬英明のイスラム・ノート』(幸福の科学出版)など著書多数。

──パリの新聞社襲撃事件についてどう考えますか。

加瀬(以下、加) : イエス・キリストを人間臭く描いたハリウッド映画「最後の誘惑」(注2)が公開されたとき、キリスト教徒は「冒涜だ」と騒ぎました。イスラム教徒がムハンマドの風刺画に怒ること自体は、当然のことです。

イスラム教は"若い宗教"

テロに反対するデモが起きたフランスも、200年前は史上最大の「テロ国家」でした。フランス革命では、王族や貴族、聖職者や革命の敵とされた人が毎日のようにギロチンにかけられ、約5万人が虐殺されました。

忘れてはいけないのは、イスラム教は成立して約1400年の"若い宗教"だということです。キリスト教が生まれてから1400年ごろを考えてみてください。異端裁判の嵐で、キリスト教原理主義に反する人は火あぶりにされていました。

次ページからのポイント

中東の地図は塗り替えられる

「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」で、宗教対立の解決を研究テーマの一つとする金子一之氏の寄稿

幸福の科学の教えを学ぶイスラム教徒の声