ドイツ観念論哲学を大成したといわれる、哲学者ヘーゲル(1770~1831年)。さまざまな著書がありますが、内容は非常に難しいものばかりです。彼は一体どのような人物で、どのような考えを持っていたのでしょうか。

ヘーゲルは1770年、神聖ローマ帝国の州である、ヴェルテンベルク公国に生まれました。ちなみに、当時、ドイツという国はまだ存在していません。少年時代から勉強家で、詩人のクロプシュトック、シェークスピア、レッシングなどの作品を読みあさっていたそうです。

神学校で、後の哲学者シュリングや詩人ヘルダーリンと交友を結び、共に影響を与え合いながら学びました。当時のヘーゲルは、古代ギリシャのヘレニズム文明に憧れており、また、フランス革命にも深い関心を寄せていました。