論破プロジェクト代表
藤井 実彦

プロフィール

(ふじい・みつひこ)1972年、福岡県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、大手飲食チェーン店長や営業職を経て、現在(株)エックスブレーンズ代表、ネクストドアー出版/アイコミックス代表。

アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスで今月中旬、現地の日本人を対象にした平和シンポジウムが行われた。このシンポジウムでは、活発な活動で注目を集めている、日本の市民団体「論破プロジェクト」の藤井実彦代表と、「なでしこアクション」の山本優美子代表らが講演した。

藤井氏は、年初にフランス・アングレーム漫画祭で、慰安婦の強制連行がつくり話であることを訴えようとして、主催者から展示物を撤去された経験を持つ。本欄では、この藤井氏に、現地の様子などについて聞いたインタビューを3回にわたってお届けする。今回は、その2回目。

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西海岸のサンフランシスコ・ロサンゼルスで行った平和シンポジウムの後、「慰安婦トリプル署名」と題して集めた3つの署名を提出するために、東海岸に向かいました。今回集めた署名は、「慰安婦歴史学校」への反対、ホロコースト博物館での慰安婦展示の常設化への反対、マグロウヒル社が発行した歴史教科書の記述の修正を求める内容です。いずれも、2500筆以上の賛同を頂きました。

まず、ニューヨークのすぐ隣、ニュージャージー州のパリセイズパーク市では、高校生や一般の人を対象に慰安婦に関する授業をする「日本軍慰安婦歴史学校」が、来年1月に開校する予定です。この計画に反対する署名は2570筆、コメントは248人分集まりました。

パリセイズパーク市役所では、秘書を通じて市長に署名を提出しました。秘書室長は韓国系アメリカ人の方で、署名を受け取ったという受書も書いて頂きました。

この署名の提出を産経新聞が報じると、直後に韓国のニュースサイトも、それに反論するニュースを報道しました。しかも、私達はもともと、「市長は不在」と聞いていたにもかかわらず、韓国のニュースでは「市長はいたけれども、面会を断った」と書いてあるなど、事実と異なる記述が散見されました。このことから、韓国側は署名の提出が「嫌」だったのではないかと感じます。

同じ日に、ニューヨークのクイーンズコミュニティ・カレッジの中にあるホロコースト博物館に行き、慰安婦の常設展示の中止を求める署名(2705筆、コメント427)を提出しました。到着した頃、既に門は閉まっていたのですが、用件を伝えると館長のアサー・フラグ氏本人が対応してくれ、直接署名を手渡し、話をすることができたのです。

この博物館には既に、「コンフォートウーマン(慰安婦)」として韓国人の絵が書いてある写真が展示されていました。なぜかその隣には、第2次世界大戦中、多くのユダヤ難民にビザを発行し、命を救った日本の外交官・杉原千畝の展示もありました。

フラグ館長に話を聞くと、慰安婦についての常設展示はまだ決まっていないことが分かりました。フラグ館長は常設展示の決定に関して、「自分には責任がなく、コミッティ(委員会)に発言権を委ねている」と言っていました。私が「コミッティは、どういうメンバー構成なのか」と聞くと、「7人のうち4人が歴史の専門家で、韓国系、中国系、フィリピン系、そして女性人権活動家だ」とのことでした。

アメリカではクリントン、ブッシュ政権下で、ドイツと日本の戦争犯罪について850万ページの公文書が再調査されました。これにより、最近、日本軍が慰安婦を強制連行したことを示す証拠は何一つ見からなかったことが分かりましたが、フラグ館長はこのことを「知らない。その情報も判断に加味する」と言っていました。館長に調査の報告書の要約を渡し、博物館を後にしました。

次の日には、マグロウヒル社に行きました。同社の発行する歴史教科書の、「旧日本軍が約20万人にのぼる14~20歳の女性を慰安所で働かせるために強制的に徴用した」「多くが韓国人や中国人だった」などという誤った記述の修正を求める署名(2603筆、コメント268)を提出しました。副社長にあたる人と面会でき、署名が社長に届いたことも確認できました。

マ社側は、「歴史家が書いたものを踏まえた上で書いているので、間違った内容の教科書を作っているつもりはなく、修正するつもりはない」と言っていました。ただ、「新しい情報についてはウエルカム。ぜひ次に活かしたい」とのことだったので、ホロコースト博物館の館長と同じように、調査の資料を渡してきました。

また、マ社側は「日本政府の関係者が数日前に来た」と言っていました。日本政府は10月頃に一度、マ社に訂正を求めていましたが、11月に拒否されています。今回の訪問で、日本政府がその後も対応を続けていることが分かりました。慰安婦学校やホロコースト博物館についても、今後、日本政府として、きちんと反論すべきだと思います。((3)に続く)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『南京大虐殺と従軍慰安婦は本当か』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『「河野談話」「村山談話」を斬る!』大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=992

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