中国軍 広島原爆10個分搭載のミサイル 米全土を射程

 

中国の人民解放軍がこのほど、DF-41多弾頭式・大陸間弾道弾のテストを行ったことを、米紙ザ・ワシントン・フリー・ビーコンが報じた。1万2千キロ以上の射程を持つDF-41は、中国が持つ最長距離ミサイルであり、アメリカ全土を射程距離に入れられる。

 

多弾頭ミサイル(Multiple Independently Targetable Re-entry Vehicle - MIRV)は、1つの大きなミサイルの中に、複数の小さな弾道弾が納められている。発射後に、大気圏外で分裂し、それぞれの弾道が大気圏に再突入し、標的に向っていく。さらに、それぞれの弾道弾はマッハ20以上のスピードで飛びながら、軌道変更が可能であるため、既存のミサイル防衛システムでの迎撃は難しいとされている。

 

11月下旬に米議会に提出された「米中経済・安全保障調査委員会」(USCC)の2014年度報告書によると、DF-41は10発の弾道弾が搭載可能で、アメリカ本土のミサイル防衛システムを圧倒できるという。また、弾道弾1つが、2万トンから25万トンの爆薬に相当する威力を持つ。ちなみに、広島に落とされた原爆は2万トンだが、1発でも大きな都市を破壊するものが、10発同時に飛んでくるということだ。

 

米シンクタンク「International Assessment and Strategy Center」の研究員リック・フィッシャー氏は、中国のDF-41テストを見たアメリカは、自国の核兵器数の減少に歯止めをかけるべきだと指摘。今回の中国のテストは、アメリカの軍縮政策が失敗している証拠として、アメリカも核戦力の増強を進めるべきだとした。

 

米空母を東アジアに近づけないための対艦ミサイルの配備、米軍の「目」を潰すための衛星破壊ミサイル、そして米本土を狙い撃ちできる今回の多弾頭ミサイルの開発など、中国の軍拡は着実に進んでいる。このままでは、東アジア有事の際、米軍は介入したくてもできなくなる。

 

そしてもし、尖閣諸島や日本本土が侵略され、多弾頭を持った中国が「アメリカの都市に打ち込む」と言ったら、アメリカは日本支援のために動くだろうか。

 

中国に領土を狙われている日本はどうすべきか。考えてみれば、MIRVは70年代に初めて開発されて以来、いまだに対抗手段がない状況だ。日本は、技術と知恵を尽くして、弾道ミサイルや核兵器を無力化するための手段を探すべきだろう。同時に、日本独自の抑止力を持つべき日も近づいていると言える。

 

中国や、同じく核開発を続けている北朝鮮などの軍事独裁国に傾きつつあるパワーバランスを、日米をはじめとする民主主義国側に引き戻し、地域の安全と発展を推し進める努力が、今の日本に求められている。(中)

 

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