2014年、日本のエンターテイメントを席巻した映画と言えば、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズが送り出したアニメ「アナと雪の女王」だ。3月に全国で公開が始まると、2000万人を動員し、社会現象に。興行収入は国内で歴代3位となった。

アナ雪のブームが終わりきらない間に、ディズニー社は「マレフィセント」や「ベイマックス」など、次々と新作を繰り出し、相乗効果的にディズニー・ファンを増やしている。今年は、ディズニー映画の圧倒的な強さを、改めて実感した年だった。

そのディズニー映画の原点と言える作品がある。それが、同社を創業したウォルト・ディズニーが最初につくったプリンセス映画、「白雪姫」だ。

実はこの作品は、世界で最初の長編アニメでもある。前代未聞のプロジェクトは、最初から最後まで「壁」だらけ。誰が見ても不可能に見えるものだった。しかし、その壁を破ったのは、理想の映画を完成させたウォルト・ディズニーの情熱であった。ディズニー社の創造性の秘密は、そこにある。

この秘密に関する、元ディズニー・ミュージック・グループ・アジアパシフィック&ジャパン代表の中田昭利氏のインタビューを、2回にわたって紹介する。