2014年の衆院選は、自民党と連立を組む公明党が併せて3分の2議席以上を獲得し、自民党の圧勝に終わった。安倍晋三首相はこれを政府、特にアベノミクスへの信任とし、15日の記者会見では「経済最優先で政権運営する」方針を示した。

経済政策の他に、3分の2以上の議席を獲得したことで注目されているのが憲法改正だ。15日付朝日新聞はコラム記事の中で、「勝利すなわち白紙委任ではないことを、お忘れなく願いたい」と早々にクギを刺している。

「大義なき解散」などと批判された今回の衆院選だったが、日本が置かれた国際情勢を見る限り、憲法改正の道筋が見えつつあること自体は歓迎したい。

中国の覇権主義は、アジア諸国の脅威であることが一層明白になりつつある。さらに、小笠原諸島周辺でのサンゴ密猟など、日本の国防体制の隙を嘲笑うかのような挑発行為がくり返されている。香港デモで露呈した一党独裁主義の本質を見れば、中国の軍事的脅威が後退する気配など微塵も感じられない。

政府は今年、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したが、煩雑な条件が多く、十分な体制とは言いかねる。

今回の選挙でも、沖縄では自民党候補が小選挙区で全員敗北するなどしており、反米軍基地運動が活発化すれば、フィリピンのように米軍が撤退するかもしれない。

憲法改正による国防強化は、緊急の課題なのだ。

幸福実現党は2009年の立党以来、集団的自衛権の行使容認や憲法改正、普天間基地移設などの必要性を一貫して訴えてきた。その姿勢は国民にも伝わり、今回は同党の議席獲得には至らなかったものの、全国の比例票は昨年の参院選と比べて6.8万票増加した。

そもそも、金融緩和や財政出動、規制緩和などを掲げるアベノミクスの中身は、幸福実現党が立党以来、主張し続けてきた政策だった。

しかし、「消費増税は日本経済を破壊する」として警鐘を鳴らしてきた点は、決定的に異なる。同党の政策を真似し切れなかった安倍首相は、「2017年4月には10%に増税する」と公約している。これは、日本経済をさらなる苦境に追い込み、国民の信任を完全に失いかねない判断であることを改めて指摘しておきたい。

経済の破綻は、国際的な日本の立場を危うくし、外交・国防面でも極めてマイナスになる。幸福実現党が主張する消費減税の必要性に早く気づくべきだ。

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