臨死体験研究などで知られるジャーナリストの立花隆氏による「死は怖くない」と題するシリーズ記事の第一回が、23日発売の「週刊文春」に掲載された。

記事の冒頭では、9月にNHKで放送された立花氏の思索ドキュメント番組「臨死体験 死ぬとき心はどうなるのか」が多くの人に受け入れられたと紹介。臨死体験を脳の機能の側面から注目した同番組では、「死ぬとき心はどうなるのか」について完全に答えを出せているわけではないが、立花氏は今後も番組作成を続け、「死は怖くない」というメッセージを伝えたいとした。

同記事の最後には、立花氏が死を怖れなくなった理由が書かれているが、科学の発見よりも、「年を取ることによって死が近しいものになってきた」ことが大きいと述べている。高齢になれば死が怖くなくなるならば、ほとんどの人が経験することであり、立花氏自身の数十年に及ぶ研究は何だったのだろうか。

また、記事の中で立花氏は、「死後の世界との交流を売り物にしている新興宗教の人々には不愉快だったのでしょう」と発言している。まるで宗教が死後の世界について教えることが“商売"であるかのような表現だが、仏教やキリスト教を始め、多くの世界宗教は死後の世界が存在することを前提として人々を導いてきた。宗教以外にも、臨死体験を「あの世の存在証明」として研究する学者もいる。

立花氏は同記事で、あの世の存在を主張する東大医学部附属病院救急部の矢作直樹氏を取り上げ、「これが現役の東大教授か」と嘆き、矢作氏の出演する番組について「非理性的な怪しげな世界」と批判している。 そして、「死後の世界は存在する。だから死は怖くない」という考え方への反発を示した。

しかし、現在の学問であの世を扱わない傾向が強くなったのは、かつてデカルトが「物質と精神を分けて、物質の方だけを研究の対象とする」とした流れの中にあるもの。ただしデカルトは「あの世はない」とは断言していない。立花氏は、10万冊を超える書籍を読破しても、このことを見落としているために、「あの世を扱わない」科学者に接する中で「あの世がない」と証明されたと誤解しているのではないか。

記事では立花氏は「死は怖くない」と語っているが、大川隆法・幸福の科学総裁の霊言で立花氏の守護霊は、死に対する不安はなくなりましたかと聞かれて「なくなったわけじゃない」と答えている(『本当に心は脳の作用か?』大川隆法著)。あの世を信じていない立花氏の守護霊は、自身が守護霊であるという自覚もなく、霊言についても、本人の脳の一部が出張しているのだと言い張った。こうした唯物論者は死後、自身が死んだことを自覚できず、あの世にスムーズに旅立つことが難しいことが多い。

分かりやすい表現で様々な知見を広めてきた立花氏の、生涯をかけた臨死体験研究の結論が、「年を取ったから死が怖くなくなった」という、ありきたりなものになるのは残念だ。実際にはあの世は存在する。人間の本質は魂であり、魂修行のためにあの世からこの世に生まれてきて、やがてあの世に帰るということを繰り返している。霊的人生観に基づけば、死は、「かつていた世界に還る」ということに過ぎない。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『本当に心は脳の作用か?』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1299

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2014年9月16日付本欄 アブダクションも臨死体験もすべては脳の錯覚? NHKはなぜ超常現象やあの世を否定したいのか?

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2014年11月号記事 臨死体験の情報を集めても信仰に辿りつけないのはなぜか - 「『本当に心は脳の作用か?』 ─臨死体験と死後の世界の間で─(立花隆の守護霊霊言)」

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