香港で、民主派のデモ隊と警察の衝突が激しさを増している。

1997年にイギリスから中国に返還された香港では、一国二制度体制の下で50年間の自治が約束されている。にもかかわらず、2017年の香港行政長官選挙では、中国側が認めた候補者しか立候補できないという中国側の発表に反発する民主派のデモが、連日行われている。

これに対し、香港市警察は28日、ついに催涙弾を使用。デモ隊の排除を試みたが、傘やゴーグルを着用したデモ隊との衝突が収まる気配はなく、各メディアはここ数日騒然とした香港の現状を伝えている。一部のメディアは、両手に傘を一本ずつ持ち、一人で催涙弾の煙の中を歩く男性を、89年の天安門事件で、一人で戦車の前に立ちはだかった男性に重ね合わせて報じるなどしている。

10月1日は国慶節(中華人民共和国の建国記念日)の祝日であり、そもそもこのデモ自体が、本来10月1日に始まる予定であったものを前倒ししたものであるため、今後、デモの規模が膨らむ可能性もある。

このようなデモは、中国政府がもっとも恐れていた事態の一つと言える。