ウクライナ情勢に注目が集まる中、EU各国の財政危機がニュースになって久しい。しかし、ユーロ圏の経済問題は未だ続いている。

去る6月、金利を0.25%から0.15%に下げたにも関わらず、さしたる経済活動の活性化や自信の回復が見られないばかりか、先月のユーロ圏のインフレ率が0.4%と低迷しているのを見て、今月初旬、欧州中央銀行(ECB)は金利を0.05%まで下げた。

この施策の背景には、ユーロを弱めることによって輸出量を増やすとともに、デフレの波を押し返す思惑がある。シティグループのベレンティン・マニロブ氏は、「デフレに対抗するための最後の手段として、ECBは二年前に日銀が始めた異次元緩和を後追いする可能性がある」と言う。