香港トップの行政長官選挙の民主化を要求し、香港の学生が授業ボイコットを始めた。香港すべての大学と一部の専門学校から集まった約1万3000人が、香港中文大学で行われた決起集会に参加。大学教授ら約380人もボイコットを支持すると表明しており、「参加できない授業の講義を録画して公開」「民主主義に関する講義を大学外で学生向けに行う」という予定すらある。

中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)は8月、2017年の香港行政府長官選挙から普通選挙を導入することを認めたが、北京政府の意向に合わなければ立候補できない仕組みになっており、市民の反発が高まっている。

今後は、高校生も授業のボイコットに参加する予定だ。10月1日の中国建国記念日には、民主化の市民が金融街を占拠し、抗議活動を行う予定である。

学生リーダーの一人であるジョシュア・ウォン氏(17)は23日付CNN(WEB版)のインタビューに答えている。彼は12年、香港行政府が中国共産党を是とする「愛国教育」を導入しようとした際、「共産党の考え方で香港市民を洗脳しようとする取り組み」であるとして反対した学生グループの先頭に立った。抗議の結果、愛国教育の実施は各学校の判断に任されることになり、義務化は先送りされた。

ウォン氏は「5年前、香港の学生は政治に全く関心がなかった。しかし、『愛国教育』の一件で彼らは目覚めた」と語っており、この時、「香港の若者は重大な力を持っている」と気付いたという。今回の授業ボイコットについては、次のように語った。

「われわれのストライキが直接中国での普通選挙につながるかどうかは分かりません。しかし、香港で普通選挙が実現すれば、それは広東省や上海、北京、そして中国全体にとっての水先案内人になるかもしれないのです」(23日付CNN WEB版)

要するに、ウォン氏が描くビジョンは、中国自体を「香港化」し、民主化を進めるというものだ。23日付FTでのインタビューでウォン氏は、自身の理想像について「天安門広場でのデモの学生リーダーだった王丹氏」と答えている。天安門で民主化を求めた学生たちの志は、今、香港の学生に受け継がれている。日本を始めとした諸外国も、香港で育ちつつある中国民主化の動きを後押しすべきである。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『大川隆法 フィリピン・香港 巡錫の軌跡』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=27

幸福の科学出版 『孫文のスピリチュアル・メッセージ』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=725

【関連記事】

2014年8月号記事 釈量子の志士奮迅 [第24回] スペシャル対談 In 香港 李柱銘

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8016

2014年7月号記事 【インタビュー】天安門事件から25年 日本は積極的に中国に民主化を求めてほしい

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7873