カナダのマニトバ州ウィニペグ市に、カナダ人権博物館が9月20日、開館する。この博物館は、19世紀の奴隷貿易を含む、さまざまな人権問題をテーマにしたもので、日本軍の被害を受けたと訴えるフィリピン人の自称・元慰安婦の証言も展示される予定だ。

カナダの市民団体「トロント・アルファ」のリリース(2013年10月21日付)によると、このフィリピン人は、ローラ・フェデンシア・デービットという86歳の女性で、14歳の時に日本軍の性奴隷であったと主張。2007年、慰安婦問題の対日非難決議を行ったカナダ下院議会で、証言をしたこともある人物だ。

しかし、本誌・本欄でも再三にわたって述べているように、従軍慰安婦は、つくられた虚構の歴史。女性の証言も裏付けのない一方的なもので、証言を公表した「トロント・アルファ」も、中韓系帰化人で構成される反日団体だ。同団体は昨年、カナダのハーパー首相が訪日した際、「首相は慰安婦問題で対日批判をするべき」と要求したこともある。

このような団体と関係する女性の証言を伝える博物館は、2015年1月から校外学習のプログラムを実施すると、ホームページに掲載している。もし、カナダ人の子供が参加することになれば、中韓の主張を鵜呑みにする生徒が増える恐れがある。

近年、移民政策を推進するカナダでは、中韓の移民が増加し、両国の主張が浸透しやすい国になってきている。特に、中国系移民の増加は顕著であり、ブリティッシュ・コロンビア大学のダニエル・ヒーバート教授は、バンクーバーとトロントの中国系人口が、2031年までに人口の2割を超えると推計している(「ニューズ・ウィーク」日本語電子版7月25日付)。バンクーバーといえば、「ザ・レイプ・オブ・南京」を執筆したアイリス・チャンも講演をした街であり、中国系ロビー活動の標的にもなっている。

アメリカでは、韓国系団体により、続々と慰安婦像がつくられていることは、一部のメディアが報じている。だが、慰安婦像がいつ何時、カナダに設置されてもおかしくはない。カナダと日本の友好関係を阻害する中韓ロビー活動に対し、日本政府は、言論活動を強化すべきだ。(山本慧)

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