大学受験大手予備校の代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)はこのほど、全国模擬試験の廃止や来年度の生徒募集を20校舎で停止し、校舎数を27校から7校へ集約することなどを明らかにした。校舎閉鎖の理由は、少子化による受験人口の減少や、受験生の現役志向の高まりによる浪人生の減少としている。

少子化の影響で、塾や予備校などの教育産業は経営的に厳しい局面を迎えているが、代ゼミグループは30年前から着々と教育から不動産業へと業態転換を進めてきたという声もある。

同グループの札幌校の旧校舎は昨年11月から賃会議室大手のティーケーピーに貸し出されている。また、京都校の別館は2010年に「ホテルカンラ京都」として運営され、京都駅近くの学生寮は11年に「ホテルアンテルーム京都」に改装された。両ホテルとも代ゼミグループとコクヨグループの共同事業である。

これらを見ると、代ゼミグループはあらかじめ不動産業に業態を変えることを見越しているという指摘も理解できなくはない。少子化の影響もあり、企業の生き残り戦略としては否定しないが、これは教育に携わる企業の経営理念に叶っていると言えるのか。

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『経営入門』の中で、経営理念についてこのように述べている。

「経営理念というのは、『組織全体が、どの方向に向かっていくのか』という理念であり、『錦の御旗』のようなものです。例えば、武田信玄の『風林火山』の旗や、織田信長の『天下布武』のスローガンのようなものです。そのような一つの旗印であり、目標です。組織には、何かそういう旗印が要るのです」

教育事業に携わる者には、未来ある若者を育てる大きな責任がある。組織が生き残るための戦略は大切だが、本業や創業の理念から離れすぎたところでの展開は疑問だ。2002年、ユニクロが子会社を設立して野菜事業を始め、2年後に撤退してしまったのが良い例だろう。やはり、企業は経営理念に則った経営を行う必要がある。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『経営入門』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=122

幸福の科学出版 『柳井正社長の守護霊インタビュー ユニクロ成功の霊的秘密と世界戦略』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=959

【関連記事】

2013年3月号記事 大倒産時代のサバイバル経営術

http://the-liberty.com/article.php?item_id=5520

2011年6月号記事 日本の教育経営再建プラン (前編)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=1866