学校の校庭や公園を歩き回る、一匹の柴犬。「大切な人が突然いなくなるということ、あなたは想像できますか?」というナレーション。これは、16歳の少年だった飼い主を飲酒運転による交通事故で失った犬が、思い出の場所や道をたどる様子を通して、飲酒運転撲滅を訴えるCMだ。
この柴犬は、3年前、飼い主を飲酒運転で失った「こゆき」、8歳のメスの柴犬だ。CM中に歩いているのは、生前の少年と散歩したコースということもあり、「せつなすぎる」などと話題になっている。
ニュース・サイト「NEWSポストセブン」はこのほど、安置した仏壇から「こゆき」が離れない様子を、少年の母親のコメントを通して、こう伝えている。「自宅に仏壇を置いて以来、こゆきがそばを離れなくなったんです。私がお線香を上げて立ち上がると、"今度は私の番よ"と言わんばかりに仏前に座って、お線香がなくなるのを見ていたり、昼寝をしたり」「犬だって大切な人を亡くしたら悲しいんです」。
仏前で故人をしのんでいる「こゆき」の姿は健気だが、実際は、故人の霊そのものに寄り添っている可能性がある。
犬の物理的な臭いを感じる能力は、人間の数百万倍はあると言われている。だが実は、霊が現れるときには、「霊臭」という一種の臭いがして、犬はこの臭いをかぎ分ける能力を持っている。また、犬は聴覚や視覚なども鋭く、人間には聞こえない音や、見えないものを感知することができる。
もしかしたら、突然命を失った少年の霊が、まだ地上から離れずに自宅近くに居て、こゆきはその存在を感じ取り、寄り添っているのかもしれない。
予期せぬ事故などで突然、亡くなった人は、自分が死んだことを理解できず、ストレートにあの世に還ることができないケースがある。そうした人々の魂を供養するためには、残された遺族が、「人間の本質は肉体ではなく魂であり、魂の『修行の場』としてこの世に何度も生まれ変わり、さまざまな経験を重ねながら、魂を磨いている存在である」という霊的真実をつかみ、その思いを故人に手向ける必要がある。
こうした霊的真実が日本社会に広まることは、魂の救済に直結する。生前にその真実を知る人が増えることが何より大切だ。(居)
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