漫画「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄氏の生誕80周年となる今年、作品の人気は衰えることを知らない。8日から公開されている映画「STAND BY ME ドラえもん」は国内映画ランキング1位を続けており、世界21の地域と国で公開が決まっており、そのうち11カ国以上で初公開される。また、「ドラえもん」は今年からアメリカでアニメ放送も始まっており、世界へと広がっている。
そうした中、ドラえもんファンの憧れの的である「ひみつ道具」を実際に作ってみるという取り組みを、複数の日本の企業が進めている。その名も、「四次元ポケットプロジェクト」だ。
これは、プリンターや情報技術を扱う大手「富士ゼロックス」が中心となり、異なる技術を持つ複数の中小企業が連携して研究開発するものだ。すでに第一弾として、『ドラえもんひみつ道具完全大事典』に載っている「セルフしょうぎ」が実現している。アームで駒を掴み、将棋を指すロボットと人間が将棋盤の上で対戦できるものだ。
そして、19日に発表されたプロジェクト第二弾が「望遠メガフォン」だ。これは遠く離れた相手にも、耳元で話しかけるように声を届けることができるという道具である。すでに、製品化に向けて開発が進められている。
富士ゼロックス社は、同プロジェクトのホームページで、「実在する企業の技術やノウハウをそれぞれ連携することで、1社では不可能だった新たな価値を生み出すことができる」とうたっている。その連携の原動力となっているのは、まさにドラえもんのテーマ曲にもある「あんなこといいな できたらいいな」という夢だろう。
松下幸之助も、「何としても二階に上がりたいという熱意がハシゴを思いつかせ、階段を作りあげる。上がっても上がらなくてもと考えている人の頭からはハシゴは生まれない」という言葉を残している。「これがあると役に立つ」「みんなの夢を実現したい」という熱意が、クリエイティブな発明へとつながっていくのだ。(晴)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『未来にどんな発明があるとよいか』 大川隆法著
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