来年は終戦70周年であると同時に、国連創設70周年でもある。安倍晋三首相は中南米諸国訪問を終えたが、1日に会談したブラジルのルセフ大統領は、「日本とブラジルが国際社会に常任理事国入りを働きかける必要がある」という趣旨の発言をした。中国などが日本の常任理事国入りに強く反対しているなかで、ブラジル大統領の発言は心強い。

現状では、ブラジルは犯罪や貧困といった問題に悩まされている。しかし、「中国の次にはインドが大国となり、2050年までには中国を追い抜くであろう」という予測のその次は、「ブラジルが大国になる」という予測もある。

国連の常任理事国は第2次大戦の戦勝国を中心に構成されている。しかし、これらの国が未来永劫、国際社会を牛耳り、日本を旧敵国扱いすることの正当性はどこにもない。日本はアメリカに次いで2位の国連分担金を出している一方、あれだけ軍事拡張をしている中国は、常任理事国であるにもかかわらず、日本の半分しか払っていない。「そのようなことは、拒否権を発動できる常任理事国として、あってはならない」と、日本は中国を批判すべきだ。

ちなみに、『宇宙戦艦ヤマト』(石津嵐著・ソノラマ文庫・昭和50年)では、22世紀には国際連合の代わりに「共和連盟」という地球的組織ができており、その本部はブラジルの首都・ブラジリアにある。そして、凶悪な宇宙人からの侵略に対抗する「地球防衛軍」設立のために、日本が主導的役割を果たすことになっている。これは架空の物語ではあるが、「日本やブラジルが強い発言力を持った大国となる未来」がやってこないとは限らない。

日本はブラジルやドイツ、インドと共に、国連常任理事国入りを強力に推進すべきだ。(賀)

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