日本政府観光局は23日、2014年の上半期に日本を訪れた外国人旅行者数が、前年同期より26.4%多い626万400人だったと発表した。上半期としては、1964年の調査開始以来最多だという。2013年に訪日客が初めて1000万人を超えたが、さらに旅行客が増える勢いだ。

政府は「観光立国化」に向け、2020年頃に訪日外国人を2000万人にすることを狙っている。東京五輪にあわせて多くの外国人が訪日するだろうが、いかに各地の観光資源とシナジー効果を生み出し、「お金を落としてもらうか」を考えていくべきだろう。

しかし、外国人観光客の増加を、「産業」という観点で捉えるだけでは不十分だ。日本は「観光立国化」を、日本の外交的な国益とも結びつけて考えていく必要がある。

一般に、軍事力や経済力による影響力である「ハード・パワー」に対し、文化や価値観などによる影響力を「ソフト・パワー」と呼ぶ。文化を通して自国が愛されれば、外交的にも経済的にも、大きな利益になる。

インターネット上の動画で、「慰安婦は性奴隷ではなかった」と主張し有名になった、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏は、その好例かもしれない。

マラーノ氏は当初、反捕鯨団体シーシェパードを応援しようと、捕鯨を行う日本について調べ始めた。しかし、調べれば調べるほど「日本の礼儀正しさはすごい」と驚き、それ以来日本を応援するようになったという。今や同氏は、日本の自虐史観を払拭する言論戦の、主力になりつつある(マラーノ氏は本誌6月号でも登場。関連記事参照)

一方、中国も自国の「ソフト・パワー」強化のため、全世界の大学に中国文化や共産党思想を浸透させる「孔子学院」を建設している。また、韓国などと共に「従軍慰安婦」に関する資料を記憶遺産に登録する動きを見せるなど、日本の「ソフト・パワー」を崩しにかかっている。来年は、戦後70年となり、この攻撃はさらに激化するだろう。

日本はその打ち返しのためにも、「観光立国化」を通し、「多くの外国人に、日本を心底愛してもらう戦略」を考える必要がある。

その際に大切なのは、「和の心」などの精神をアピールすることだ。例えば、アメリカの大手旅行雑誌の読者投票で人気都市ランキング1位に選ばれた京都でも、和食や建築に触れてもらうのみならず、「平安時代に死刑の無い期間が存在したこと」や「キリスト教が理想とする千年王国が京都で実現した」といった平和的な歴史を知ってもらう機会を設けたい。そうすれば、攻撃的なイメージも払拭され、「侵略国家」という誤解が晴れることにもつながる。

そのためには、私たち自身が日本の美点を再認識することが必要だろう。(光)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『天に誓って「南京大虐殺」はあったのか 『ザ・レイプ・オブ・南京』著者 アイリス・チャンの霊言』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1183

【関連記事】

2014年6月号記事 【ネットインタビュー】YouTubeで話題のテキサス親父「従軍慰安婦」はお金目当ての虚構である - アメリカ人が語る「日本の戦争は正しかった」欧米こそ歴史の見直しが必要だ Part.2

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7729

2011年9月号記事 世界に誇るすごい日本史─奇跡の日本史 第2部

http://the-liberty.com/article.php?item_id=2486

2014年7月5日付本欄 世界1位に輝いた京都で、「世界史上最高の文明」を味わう!?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8098