7月21日付の新聞各紙から拾い読みしてコメントする。

陸上自衛隊 オスプレイを佐賀空港に配備する方針

小野寺五典・防衛相が、陸上自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイを佐賀空港に配備する方針を示した。佐賀県側には22日に正式に要請する。2015年度は5機で、18年度までに17機にする予定。米海兵隊をモデルに、長崎県佐世保市に創設する「水陸機動団」の輸送手段として、一体的な運用を目指す。沖縄の米海兵隊のオスプレイも使用できるよう目指す。

⇒配備の目的については、尖閣諸島など対中国における南西諸島防衛の強化という形で伝えられている。だが政府は、朝鮮半島有事も視野に入れているはず。その際、韓国の在留邦人3万6千人の救出や、韓国・北朝鮮両国からの難民への対応、そして。集団的自衛権の行使を考えるべき局面も出てくるだろう。関連の法整備も迅速に進める必要がある。

「独立」で揺れる台湾・最大野党の民進党の党大会(産経新聞など)

台湾の最大野党の民主進歩党が20日、党大会を開いた。大会では、「独立」を掲げる党綱領を一部凍結する案と、2016年の次期総統選の候補者に「独立」工程表の策定を求める案がそれぞれ提出された。だが、両案とも蔡英文主席ら執行部は議決しなかった。

⇒蔡英文氏は前回の総統選で、国民党主席の馬英九総統に敗れた人物。台湾は経済的にも中国とのつながりが強まっており、独立志向の強い民進党も、陳水扁総統時代ほど、強い姿勢を取ることができないようだ。アメリカが中国にすり寄る中、台湾の後ろ盾になれるのは日本しかない。地政学的に見ても、中国に台湾が獲られたら、次は沖縄が危なくなる。日本にとって、台湾は“運命共同体"である。

天津市の公安局長を取り調べ 習近平指導部の腐敗撲滅キャンペーン

汚職や腐敗について取り締まる中国共産党中央規律検査委員会が、天津市公安局の武長順局長に重大な規律違反と違法行為があった疑いで取り調べていることを発表した。習近平指導部の腐敗撲滅運動の一環。

⇒習近平・国家主席が急速に進める「腐敗撲滅運動」の本質は、「権力闘争」であり、「政敵の粛清」である。また、経済成長の失速、経済格差、失業、環境汚染などさまざまな国内問題に不満を抱く国民のガス抜きの要素も強い。現在、汚職問題が取り沙汰されている、石油閥の大ボス、周永康・前政治局常務委員の処置の行方に注目が集まっているが、国内の不満の矛先をいつ周辺国に向けるかは分からない。日本は、常にそのための「準備」が必要だ。(格)

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2013年5月号記事 迫りくる 第二次朝鮮戦争 - 「戦わないアメリカ」に日本は備えよ

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2014年6月号記事 日本版・台湾関係法で日台両国を守れ - 元自衛隊統幕学校副校長 元海将補 川村純彦氏

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Web限定記事 習近平守護霊が激白 反日デモ、尖閣問題の裏に隠された国家戦略

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