日本薬剤師学会はこのほど、疑義照会によって1年間に約82億円の薬剤費が削減されていたという推計を初めてまとめた。

「疑義照会」とは、薬の相互作用の懸念などで処方箋に疑わしい点がある場合、薬剤師が医師に問い合わせて、処方箋が適切であるかなどを確かめるというもので、薬剤師法によって義務付けられている。患者にとって不利益な処方や調剤を未然に防ぎ、医療の質を向上させることが目的である。

この調査を報じた日経新聞(17日付)は、「疑義照会によって薬剤費の削減につながった主な理由として、薬剤師が患者から過去に処方された薬の使い残しがあることを聞き出して、薬の量を減らすよう照会したケースが目立った」などと報じた。

一方で、一時的に診療を妨げるなど、医師への気兼ねから、疑義照会の実施件数がわずか3%だった点にも注目したい。