2008年7月号記事
あなたの仕事はどうなる?
求む!外国人(2)
頭脳移民が 経済を変える
「頭脳移民」は日本にやって来るか?
根拠不明の日本からの強制送還が頻発?
「こんなことばかりしてたら、外国人は日本に来なくなりますよ」
神戸で美術商を営むネパール人のタパさん(42歳、仮名)は流暢な日本語で声を荒げる。
昨年、タパさんの友人で、毎月のように日本とネパールを行き来しているネパール人貿易商の男性が仕事で来日したときの話だ。男性は成田空港に到着後、空港の入国審査窓口で並んでいた。すると、前方で別のネパール人が審査官と押し問答を始めた。言葉が通じないようなので、男性が間に入って通訳しようとしたところ、審査官に「お前も同じグループか」と怒鳴りつけられた。男性は「初対面だ。誤解だ」と何度も訴えたが聞き入れられず、拘束されたうえ所持金を没収され、2人まとめてネパールに強制送還されてしまった。
2人とも、ビザやパスポートには偽造などの問題はなかったことは帰国後、当局の調査でも確認された。にもかかわらず、没収金や渡航費用など数十万円分の補償はなかった。こうした根拠の分からない強制送還は特殊なケースではなく、タパさんの仕事仲間のネパール人に対してはよくあることだという。
タパさんは、「日本に何度も来ている人間を理由も告げずに強制送還するなんてひどい。単なるいじめだ。これでは、日本が好きで日本で働きたい外国人も、日本を嫌いになってしまう」と語気を強める。