舛添要一都知事が、東京オリンピックの会場計画全体を見直す考えを明らかにした。五輪組織委員会会長の森喜朗氏とも合意しており、来年2月に国際オリンピック委員会に提出する大会開催基本計画に反映させる予定だが、都庁や文科省、スポーツ界からは戸惑いの声が上がっている。

舛添氏は、建設資材や人件費の高騰を踏まえ、整備費の圧縮が必要と判断。また、環境への影響が指摘されている葛西臨海公園のカヌー競技の競技場会場についても見直しを検討。「競技場を選手村中心に半径八キロ圏内に建設する」という当初の構想も見直すという。12日には調整会議を開き、具体的な話し合いが始まる。

しかし、国際公約とした建設計画を変えることは、信用の低下につながりかねない。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は、「国際競技連盟とコミットメントしたことは簡単には変えられない」と語る。また、日本トライアスロン連合の大塚真一郎専務理事は、北京五輪で会場を郊外に移したことが非難を浴びたことを挙げ、「大幅な変更は国際的評価を下げることにならないか」との懸念を表明している(11日付日経新聞)。

舛添氏は今年2月の都知事選で、「史上最高のオリンピック」に向けた会場や都市基盤の整備を公約し、当選した。主要な候補者の多くが、「オリンピック縮小」「脱原発」を掲げるなか、オリンピックに向けての前向きな計画に共感し、東京を発展させる期待を込めて一票を投じた人も多かったはずだ。このまま計画を縮小していけば、公約違反と言われかねないばかりか、「ケチケチオリンピック」という印象を国内外に与えてしまうだろう。

東京オリンピックを契機とした開発は、単なる消費ではない。東京がさらに国際化し、経済的にも発展するための投資である。先日、今年1-3月期のGDPの伸び率が速報値の5.9%から6.7%へと上方修正されたが、消費増税前の駆け込み需要の寄与も大きいとみられ、景気が完全に上向いているとはいえない。景気浮揚策としてオリンピックは重要であり、経済成長のチャンスとなる投資はぜひ行ってもらいたいものだ。今後の動向に注目していきたい。(晴)

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