インドは今、総選挙の真っ只中だ。12日までの約1カ月間にわたる総選挙の最大の争点は、長らく停滞した経済の立て直し。これまでのところ、ナレンドラ・モディ氏が率いる最大野党のインド人民党が勝利して、政権交代が起きるという観測が出ている。

かつて社会主義国を標榜したインドは、今でも非効率な行政手続きや、労働慣行などの悪習が残り、これが、ビジネス・チャンスを失わせる大きな要因となっている。だが、モディ氏はグジャラート州首相時代、港湾や電力の民営化、外資企業の進出をサポート。同州をインド国内屈指の工業州へと成長させるなど、インド社会に色濃く残る因襲の打破に尽力した。この手腕を買われたモディ氏は、インド経済を救う人物として期待が集まっている。

しかし、このモディ氏の登場に、欧米メディアは懸念を示す傾向がある。それは、モディ氏が州首相を務めていたグジャラート州で起きた事件に関係する。