ウクライナ東部で親ロシア派のデモ隊が行政庁舎を占拠し、一部で治安部隊との銃撃戦も起きている。ウクライナの国旗が降ろされたとの情報もある。12日付各紙が報じた。
ここで流血の事態を招いてしまえば、危機の収拾のためとロシアが介入してくるおそれもあり、ウクライナ暫定政府は難しい対応を迫られている。一方のロシア側も、先月ウクライナからロシアに編入したクリミアとは違い、ウクライナ東部ではロシア語使用者は多いものの民族としてはロシア系は少数派のため、安易に介入できる状況ではない。
もともとロシア系住民が6割を占めていたクリミアでは、ロシアが軍事介入によって制圧したことに米欧諸国が反発し、その対立の構図から「新たな冷戦」とも言われた。また、強硬な姿勢を崩さないロシアのプーチン大統領をヒットラーになぞらえて批判する発言や報道も相次いだ。
このウクライナ問題について、大川隆法・幸福の科学総裁は、第二次世界大戦時にヒットラーによる侵攻からイギリスを守ったウィンストン・チャーチル元英首相の霊言を3月6日に収録した。
その中でチャーチル霊は、「『新しい冷戦』っていうのは、ちょっと考え違いだと思うな。客観的にはねえ、『ウクライナっていう国が、経済的にうまく立ちゆかなくなったから、EUのほうとの結びつきを強くするのか、元々のロシアとの結びつきを強くするのか、どっちを選ぶか』っていう問題だ」と、この問題が「冷戦」ではなく、「経済問題」であると述べた。また、「私は、ロシアのプーチンをヒットラーのように捉えないほうがよいと思いますね」とも語った。
経済問題ということで言えば、11日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議には、ロシアも参加し、ウクライナの経済危機に対する支援で協調することが確認された。対ロシア制裁については議題にも上らなかったという。これは、ウクライナの問題の本質が「経済問題」であることを示していると言っても過言ではないだろう。
「問題の根本は経済である」という面から知恵を絞れば、ウクライナ東部の混乱も、平和的解決の糸口が見えてくるかもしれない。(紘)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『「忍耐の時代」の外交戦略 チャーチルの霊言』 大川隆法著
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