米中関係の接近はどこまで進んでいるのだろうか。中国訪問中のヘーゲル米国防長官と会談した習近平・中国国家主席は9日、「(米中は)新しいタイプの軍事関係を構築すべき」と呼びかけ、ヘーゲル氏は「21世紀の世界の発展は米中関係の発展にかかっている」と応じた。

中国は今回、アメリカの要請に答えて、中国初の空母「遼寧」へのヘーゲル氏の視察を認めた。また、公海上での「誤解による不測事態」を避けるために対話を継続するという点で、米中は一致した。ただ中国は、自身が領有権を主張している沖縄県・尖閣諸島などについてアメリカの不干渉を求めているが、ヘーゲル氏は8日、日米安全保障条約に基づいて日本防衛義務を果たす考えを示し、中国側の反発を受けてもいる。

今回の米中の「新しい軍事関係」は、公海での安全性を高めるための中立的なものとされるが、米中が水面下で接近していると指摘する識者も多い。