国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第2作業部会がこのほど、報告書を公表した。そこでは、地球温暖化の影響は「より明白になっている」と指摘。二酸化炭素などの温室効果ガスの削減などで、地球温暖化の被害を少なくする必要があると警告した。
地球温暖化説は、1970年代から唱えられ、80年代に広がった。この仮説を研究するため、国連は1988年にIPCCを設立し、「人間が起こす気候変動のリスクの科学面と影響、対策を考える」という使命のもと、調査を行ってきた。しかし最近では、このIPCCに対する疑問の声が上がっている。
『地球温暖化の時代』の著者であるルパート・ダーウォール氏は、1日付米誌ナショナル・レビュー・オンラインの中で、IPCCが2007年に発表した報告書の一部が誤りであったことを指摘。また、今回の報告書に携わっていた経済学者のリチャード・トール氏が、IPCCの取り組みに不信感を募らせ、最終報告書から自分の名前を消すように主張したことを明らかにしている。
これを受ける形で、リチャード氏は、3日付の同サイトで「IPCCは、人間の科学技術の工夫を正確に説明しておらず、地球温暖化による潜在的なメリットを軽視していると感じた」「(報告書の要約には)正しくない引用がいくつもある」と語っている。
さらに、2007年のIPCC報告書の統括執筆責任者であったスティーブン・シュナイダー氏は、ある記者会見で「国民をその気にさせるには、あやふやな部分を隠し、国民が怖がりそうな話だけをメディアに報じさせる」と、IPCCが意図的に地球温暖化の脅威を煽っていることを明かした。
IPCCをめぐっては、これまでにも各方面から、その調査が「温暖化によるリスク」に重きを置いているため、脅威論ありきで、フェアな視点での科学的な検証を行っていないと言われてきた。
だが一方、日本では、温室効果ガスの削減義務が盛り込まれた京都議定書に則り、削減する努力を進めてきた。ここ8年の間で、官民合わせて20兆円以上の資金を投下したり、炭素税も導入。これも、政府やメディアが、地球温暖化説に権威づけをしたIPCCの意向に盲従した結果と言えるだろう。
しかし、そもそもIPCCが主張する地球温暖化説は、あくまでひとつの仮説に過ぎない。
二酸化炭素が増加しているのに、温度が低下している期間があるなど、多くの論理的な矛盾も指摘されている。政府やメディアは、地球温暖化に関する情報をもっと客観視して、国民をミスリードしてはならない。(慧)
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