2014年5月号記事
第21回
釈量子の志士奮迅
世の中は変えられる!
釈量子
(しゃく・りょうこ)幸福実現党党首。1969年東京都生まれ。國学院大学文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。
2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
釈量子の守護霊霊言
目からウロコ! 幸福実現党の新党首の秘密
大川隆法著
幸福実現党出版
1,400円(税別)
大川隆法著
幸福実現党出版
1,300円(税別)
幸福の科学第五編集局 編
幸福実現党出版
1,050円(税別)
とうとう4月から、消費税率が5%から8%に引き上げられます。
幸福実現党は2009年の立党以来、一貫して消費増税に反対してきました。GDPの約6割が個人消費を占める日本で、3%の増税は経済に大きな影響を及ぼします。1997年も、たった2%の増税が景気を冷え込ませ、“自殺税"や“倒産税"となって国民を襲いました。肝心の税収も減る一方です。
しかし、安倍晋三首相は、今後起こりうる不況を前に、企業に賃上げを要請。健気に応じるところも多いですが、首相は、企業にとって3%の増税と賃上げがどれだけ負担になるか、理解しているのでしょうか。
今年に入り、全国的に駆け込み需要を当て込んだセールが賑わっていることを見ても、「その分、増税後の反動も大きい」と予想されます。増税を止められなかったことが悔やまれてなりません。
「軽減税率」「税額控除」という虚しい"取引き"
政府は、消費増税を国民に納得させるため、様々な負担軽減策を議論しています。しかし、この「取引き」に乗ってはいけません。
まず自民党・公明党が主張してきた「軽減税率」です。生活必需品などの消費税率を例外的に引き下げ、低所得者などへの負担を軽減するというものです。
これは今年末に10%導入を判断する際の大きな焦点になっています。その中では、各業界が自分たちの製品に軽減税率を適用させるため、政界にはロビー活動をし、官僚には天下り先を用意することもあるでしょう。
すでに多くの新聞社は、新聞を「軽減税率」の対象としてもらうべく、財務省の増税を応援する「ちょうちん記事」を書き続けてきました。財務省の裁量に左右される軽減税率は、彼らの権力強化につながるのです。
また、政府が「どの商品が必需品か、贅沢品か」を決めること自体が不自然です。海外では、日本の消費税に相当する付加価値税の軽減税率に絡む、冗談のような話がたくさんあります。
カナダでは、ドーナツ5個以内なら外食(贅沢品)として6%が課税されますが、6個以上だと持ち帰りの食品(必需品)として0%となります。イギリスではクッキーにジャムがのっているかどうかで税率が異なるそうです。
日本でも、こうした細かい税率を決める議論に、国民のエネルギーが費やされるとすれば虚しいものです。
もう一つの消費増税の負担軽減措置が、主に民主党が主張する「給付つき税額控除」です。これは消費増税の負担分を、「所得税の減税」で緩和しようというものです。
たとえば、10万円の減税額を定めるとします。すると、本来30万円の所得税を払う高所得者は20万円に減税されます。また、1万円の所得税しか払わない低所得者は、税金がゼロとなります。しかし「高所得者は10万円の得をして、低所得者は得をしない」という批判をかわすため、低所得者に9万円を給付し、“公平"にする考え方です。
この制度を機能させるには、政府が国民の所得を正確に把握する必要があります。しかし、一般的に政府は、勤労者の所得の9割、自営業の6割、そして農業の4割しか把握していません。
そこで「共通番号(マイナンバー)制度」が必要だという話になるのです。それは、政府が国民の財布の中身をすべて把握する、恐ろしい時代の到来を意味します。これも財務省の「徴税権力」を強めるものです。
本質的な議論から空前の繁栄を目指せ
そもそも、増税と同時に負担軽減を議論するというくり返しでは、不況も財政問題も解決しません。年金を税金で賄い続けようとすれば、2060年時点での消費税は68・5%になるという試算もあります。
今必要なのは、税金の運用という「枝葉」ではなく、「いかに富を創出するか」という本質的な議論です。
経済の心臓に当たる「基幹産業」を創出し、多くの関連産業、雇用を日本の隅々に生み出すこと。規制緩和によって、企業家が自由な発想で富を創造できる環境をつくること。若い人が安心して子供を産める環境を整えたり、良質な外国人を帰化させて人口を増やすこと。そうしたダイナミックな政策にこそ、政府は力を入れるべきです。
「日本」という国を使って、地球上に多くの富を創出する――。神仏の願う「繁栄」を実現する政治が、求められているのではないでしょうか。