自信のない子供に自信を持たせようと、大げさな褒め言葉をかけた場合、子供のチャレンジ精神を失わせ、裏目に出る恐れがあると、ニューズウィーク日本版2月4日号が報じている。オランダのユトレヒト大学とアメリカのオハイオ州立大学が、子供に数学の問題を解かせ、点数と自信の有無との関連を調べたところ、自信が持てない子供は親から大げさな褒め言葉を多く言われていたことが分かった。

また、子供が褒められた後の行動を知るために、絵画を描かせ、画家による批評を受けた後、その次に簡単な絵と難しい絵の模写のどちらを選ぶか観察した。その結果、自信のない子供は、画家から大げさに褒められた場合、簡単な絵を選ぶ傾向があった。普通に褒められた場合のほうが、難しい絵を選んでチャレンジしようとしたという。

本研究論文の主執筆者でユトレヒト大学心理学部博士課程のエディー・ブルメルマン氏は、褒め言葉が度を超えると、「次もそうした高い水準を満たせるかどうかが不安になり、新しい挑戦をしなくなる可能性がある」と指摘している。

近年、チャレンジ精神が弱いと言われる「ゆとり世代」が社会人になり始め、企業が育成に苦労しているというが、ただ単に「褒めて伸ばせる」わけではなさそうだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『じょうずな個性の伸ばし方』の中で、「子供は、怒られたらよくなるものでもなければ、怒られなかったら悪くなるものでもないと思っています。要するに、その子の魂が求める方向に、伸び伸びと育ててあげるということが最も大事ではないでしょうか」と述べている。

人間は、神仏から個性を頂いている。その個性を伸び伸びと発揮できたとき、最大の自信が持てるはずだ。褒めるときの言葉の中に、誇張した表現が含まれていると、相手は言葉の嘘を敏感に感じ取り、逆に自分の個性に自信を持てなくなってしまうのかもしれない。

子育てに限らず、人を育てるには、個性の素晴らしさを信じて褒めるべきは褒め、叱るべきは叱るという態度が不可欠と言えそうだ。(慧)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『じょうずな個性の伸ばし方』 大川隆法著

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