ES細胞やiPS細胞に続く第3の万能細胞、STAP(スタップ)細胞をつくる方法を発見したと、理化学研究所の研究チームが発表した。リンパ球を特殊な溶液に約30分間浸すという単純な操作で、人間のさまざまな組織細胞に変化する万能細胞がうまれたという。研究成果は、権威ある科学誌「ネイチャー」30日付に掲載される。

この万能細胞の研究が進めば、病気や事故などで失った臓器や身体的機能を取り戻す再生医療が進展する可能性がある。

実験では、生後1週間のマウスから取り出したリンパ球を酸性の溶液に浸すと、取り出して最短2日で、万能細胞に変化したという。この細胞をマウスの皮膚下に注入したら、神経や筋肉などの細胞に分化した。また、STAP細胞からマウスの胎児になることも確認されたという。

このSTAP細胞は、iPS細胞をつくるときに比べて数十倍効率よく作ることができ、また、時間もかからない。少し成長した受精卵を壊して作るES細胞や、遺伝子を操作して作るiPS細胞と違って、溶液に浸すだけなので作業手順がシンプルで、倫理的な問題もクリアできる。

研究チームのリーダーの小保方晴子氏は、若干30歳の研究者だ。この方法で万能細胞を作れるという論文を2012年4月「ネイチャー」に投稿したが、当初は、「手順がシンプルすぎて信じられない」と突き返されてしまった。審査した研究者からは「細胞生物学の歴史を愚弄している」というメールまで届いたという。そうした中で小保方氏は、諦めそうになりながらも「今日一日、明日一日だけ頑張ろうと思ってやっていたら、5年が過ぎていた」「四六時中、実験のことを考えている」という粘り強い姿勢で証拠を積み重ね、昨年4月に再び投稿して今回の掲載に至った。

人間の細胞からSTAP細胞をつくる研究や、万能細胞ができる仕組みの解明はこれからだが、今回の発見は快挙と言える。

今後の研究の見通しについては、大川隆法・幸福の科学総裁が『超・絶対健康法』で、人間の再生能力について述べたものがヒントになるだろう。

「古代エジプトの宗教では、『再生術』というものが行われていました。その再生術とは、例えば、『戦などで手や足を失った場合に、そのなくなった手や足を再び生やす』というものです」「しかし、ある時期から、この再生術は行われなくなってしまいました。おそらく、信じない人が多くなったためでしょう」「信仰の力が強くなってくると、驚くような奇跡がいろいろと起きてくるはずです」

人間の再生能力を信じることで、再生医療の可能性はもっと広がっていくことだろう。STAP細胞が人間にも応用でき、医療が飛躍的に発展する日が来ることを期待したい。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『超・絶対健康法』 大川隆法著

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