「武器輸出三原則」の"例外"扱いでいいのか? 自衛隊がPKO参加の韓国軍に銃弾を提供

政府は23日、南スーダンのPKO活動に参加している陸上自衛隊が保有する銃弾1万発を、国連の要請を受けて、韓国軍のPKO部隊に提供することを、持ちまわり閣議で決定した。

 

南スーダンでは、大統領派と副大統領派のぞれぞれの部隊同士で戦闘が激化し、事実上の内戦状態となっている。日本は、2012年1月からPKO部隊として陸上自衛隊を派遣し、避難民に対し水や食料を提供したり、インフラ整備の活動に当たっている。しかし、内戦状態は悪化し、21日には米軍のオスプレイ4機が銃撃を受けて3人の兵士が負傷する事件や、インド軍PKO部隊に死傷者が出るなど、厳しい状況が続いている。

 

そうした緊迫した状況の中、韓国軍PKO部隊が学校建設に当たっていた地域が反乱軍に制圧された。韓国軍は宿営地に既に1万5千人の避難民を受け入れており、隊員や住民を保護するために、追加の銃弾が必要となり、国連に提供を要請したものである。

 

銃弾提供の決定について、「武器輸出三原則」の原則に反するとの議論もある。だが、菅義偉官房長官は、「隊員や避難民の生命を守るため、一刻を争う」「同型の銃弾は自衛隊しか保有していない」との観点から「緊急事態」であり、「武器輸出三原則」の例外であるとの談話を発表した。

 

「武器輸出三原則」は、1967年、当時の佐藤栄作首相が示した、共産圏、国連決議による武器禁輸措置をとられた国、紛争地域に対する武器輸出を禁止する原則のことだ。ただし、この原則は法制化されているわけではなく、また三原則に示された地域以外への輸出は「慎む」とされているだけで、禁止されているわけではない。

だが、日本は原則として武器や武器への転用可能な物品の輸出や提供を事実上禁じてきた。

 

PKO協力法が審議された際にも、「弾薬提供は想定していない」「要請されても提供しない」という政府見解が示されている。

 

PKO参加国は自前で必要な装備を携行することが原則である。また、要請のあった銃弾は、南スーダンで活動している陸上自衛隊PKO部隊のみならず、米軍も保有しているはずであり、なぜ米軍が韓国軍に供給できなかったのかは分からないが、近年は予算不足などで各部隊へのしわ寄せが強くなっているとも伝えられる。

 

だが、今回のような「緊急性・人道性」の高い状況において、日本が原則論に基づいて銃弾の提供を拒み、韓国軍の兵士が命を落としたり、避難民が殺戮されたりするような事態に陥れば、日本は国際的非難を浴びて窮地に立たされることだろう。

そうした意味では、今回の判断は真っ当なものである。また、武器提供によって日韓の軍同士の結びつきが強まることは、東アジアの安定にも資することであり、率直に歓迎したい。

 

今回は「武器輸出三原則」の例外扱いとしたが、これを機に、自国の安全保障や国際平和への貢献の足かせとなっている原則を見直し、安全保障についての大きな戦略を立てる必要がある。

 

既に日本は自国のことだけを考えていられる段階ではない。世界のリーダーとして、国際紛争の解決にも責任を果たさねばならない。安倍政権には、国際的な正義の観点から大局的な判断がなされることを期待したい。(弥/佳)

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