2013年も終わろうとしているが、今年は国民的ヒーロー「ウルトラマン」を生み出した円谷プロの創立50周年だった。改めてウルトラシリーズを見直している大人たちも、最新の「ウルトラマンギンガ」に夢中な子供たちもいるだろう。

このウルトラマンに関連して、今、独特の設定で人気を集めている漫画がある。『ULTRAMAN』(小学館クリエイティブ)だ。

初代ウルトラマンが地球を去った数十年後。平和になったはずの地球に凶悪な宇宙人の魔の手が伸びようとしていた。科学特捜隊を引退したハヤタ隊員は熟年となり、日本の防衛大臣を務めている。侵略者に立ち向かうのは、ハヤタ隊員の息子・進次郎である。彼はウルトラマンに変身はできないが、新開発の強化スーツを装着し、二代目ウルトラマンとして地球防衛の任務に就くのだ。

こういう漫画的空想も、ある意味で現実を先取りしているところがある。実際、アメリカ軍は、体に装着して怪力を出し、防弾能力も備えたアイアンマンを思わせる強化スーツを開発中であることを公表している。

今ウルトラマンを見直すと、日本を防衛するための参考になる点がある。たとえば、「ウルトラマン」第2話では、バルタン星人迎撃のため防衛軍が核ミサイル「ハゲタカ」を使用する場面がある。これは国産の核兵器だろうか。「非核三原則はどうした」と言いたくなるが、日本に攻めてくる圧倒的な敵に対しては「核保有」も選択肢の一つではあろう。

また、「ウルトラセブン」に登場する地球防衛軍は、日本に最大の基地を置くが、そこにはミサイル搭載の原子力潜水艦「ハイドランジャー」や、戦闘機発着可能な原子力船「マックス号」がある。これは事実上の原子力空母だ。

これらは自衛隊で採用してもよいアイデアではないか。たとえば、中国がつくる空母部隊に対して、原子力潜水艦のトマホークで対処すればいい。 日本が生んだヒーロー「ウルトラマン」を違った角度から見直すと、現在の日本に必要なものが見えてくる。(賀)

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