英ロンドンの地下鉄が、2015年から週末の24時間運行を始める。市交通局が発表した。利用客の多い5つの路線で、金曜朝から日曜夜まで休まず電車を走らせる。将来的には、他の路線や平日にも広げる計画だ。
22日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「時差のある世界中の都市とやり取りをする、24時間化する一方のロンドン経済にとって、計画は莫大な価値のあるものとなるでしょう」という、ボリス・ジョンソン市長のコメントを紹介している。
ロンドンの人口は現在の840万人から、2030年には約1000万人まで増加する見込みで、十分な交通のキャパシティを確保するのは大きな課題だ。市交通局は有人券売窓口の廃止といった他の改革案も明らかにしている。
都市がより活発な経済の中心として発達していくためには、交通網の絶え間ないアップグレードといったインフラ整備が不可欠だ。鉄道の24時間化といえば、繁華街への経済効果をイメージしがちだが、時差のある世界中の子会社や取引先との連絡を要する企業が増えていることを考えれば、24時間化にはビジネス上のメリットも大きいだろう。
日本では、東京での終夜バスの運行などについても、「タクシーの需要がなくなる」などの反対論がついてまわる。しかし、各業界が運送需要をどう分け合うかばかり議論して、肝心の利用客のメリットを顧みないままでは、東京や他の日本の都市が国際都市として発展していくことはできない。東京なら、山手線や地下鉄の24時間化など、より便利な鉄道網のあり方を考えるべきだろう。
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