コメの関税引き下げへ だが関税撤廃は実現できるか?

政府・自民党が、コメの関税率を現在の778%から段階的に500~600%に引き下げる方針を固めたことを、このほど複数のメディアが報じた。昨年12月の衆院選で自民党は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉でコメを含む重要5分野の関税を「死守する」ことを公約。今回の引き下げは、事実上、公約を破るものであり、伝統的に「農業保護」を続けてきた自民党にとっては画期的な方針だ。

 

これまで日本は、コメに高い関税をかけて輸入の拡大をブロックしてきたため、現在、海外産のコメは日本産よりも10キロあたり3000円以上高いことになる。コメの供給量を絞る減反政策や農家への補助金と合わせて日本のコメは手厚く保護されてきた。

 

一方で近年、日本のコメは海外で人気が上がっており、政府も輸出の拡大を目指している。保護する必要のない国産のコメを輸入品から保護したままでは、国際社会の理解も得られにくい。コメの関税は、遅かれ早かれ撤廃されなければならないものだ。

 

しかし、コメの関税の全面撤廃には抵抗の声が依然として上がっており、自民党内部にも「500%台なら大規模な輸入は食い止められる」との見方もあるという。首相が交代した場合など、コメの関税は高止まりが続くおそれもある。

 

このように安倍政権の政策は、問題の周辺を「修正」するにとどまっているものが目立つ。たとえば安倍晋三首相は就任当初、憲法改正を目指していたが、このところはトーンダウン。集団的自衛権の解釈変更の議論を進めていること自体は国防政策上重要だが、公明党に配慮して、課題を詰めることを来年に先送りした。

 

同じように、農業分野の中核である農業の自由化も、中途半端なものになろうとしている。今の保護的な農業の仕組みを新しく変えていくためには、株式会社を含めた農業への参入自由化や土地の取引の自由化を目指すべきであるが、成長戦略のなかでは先送りした。

 

規制撤廃が進まない根本的な理由は、古い農業のあり方に縛られ、農業の未来ビジョンを描けないところにあるのではないか。農業界のしがらみを取り払って自由化するなかで、日本のコメの生産効率が上がり、国際競争力を増すことができる。日本のコメにとって、関税撤廃はピンチではなくチャンスであると捉え、規制撤廃を進めていくべきだ。(浦/晴)

 

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