反日思想の嵐が吹き荒れる韓国で、日本を肯定する内容の歴史教科書が、検定に合格した。執筆したのは、「韓国の教科書は左翼的」などと主張する、保守派「ニューライト」系の学者たち。日本の韓国併合を肯定的に評価する内容で、「教学社」から出版される。2日から採択に向け閲覧が始まった。
この教科書について、韓国の最大野党・民主党は「歪曲された歴史認識が助長される」と非難する一方、与党セヌリ党は「均衡の取れた歴史観が反映されている」と評価。反日が国是となっている韓国では、異例のことだ。
韓国では2010年、それまで国定だった教科書が検定制度へと移行しているが、教学社の教科書が検定に合格したのは今回が初めて。この教科書では、日本の植民地支配について「新しい都市が、植民地的要求により交通・流通の中心地に成長した」などと肯定的に記述している。
歴史を振り返れば、日本は確かに韓国を併合したものの、道路や鉄道の建設、治山・治水事業の推進など、インフラに多額の投資を行ったほか、教育制度を整えた。その結果、韓国では金融制度がつくられたり、それまで普及していなかったハングルが広がり、識字率は上昇。身分制度が廃止されるなど、自由化・近代化が進んだ。植民地の人々を奴隷化する欧米の植民地支配とは天と地ほどの差がある。
しかしこうした事実について、これまで韓国の歴史教科書に記述されたことはなかった。 また、今回の教科書は、北朝鮮についても、核開発問題を詳細に紹介。「世界最悪の人権蹂躙国家」と指摘するなど、韓国の歴史教科書でこうした記述が掲載されるのも初めてという。
教科書の採択に向けては、韓国国内でも激しい論争が巻き起こると予想されているが、これをきっかけに、これまでの韓国の歴史教育がいかに偏っていたかという事実が、白日の下にさらされるかもしれない。
これまで韓国は、「反日」を叫ぶことによって国威発揚を行ってきたが、もうそろそろ、そうした稚拙な戦略を捨てるべきだ。そうしなければ、思想的に中国や北朝鮮と近づくことになり、民主主義、自由主義を捨てなければいけなくなる。歴史観を是正することにより、同じ民主主義国である日本との連携を強め、中国や北朝鮮の民主化を目指し、アジアの平和と繁栄を築くべきである。(晴)
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