"I have a dream."というフレーズで有名なマーティン・ルーサー・キング牧師の歴史的演説から28日で50年が経った。演説の舞台となった米ワシントンのリンカーン記念堂前で同日、記念式典を開催。スピーチを行ったオバマ大統領は、キング牧師を称えるとともに、人種間の経済的平等への取り組みが今後も必要であると訴えた。

オバマ氏が演説で強調したのは、黒人と白人の間に依然として存在する経済格差の是正を目指すことだ。現在、黒人の失業率が白人の2倍で、収入格差があることなどを問題視し、「自由と生活とは結びついている。幸福の追求には労働の尊厳や基準を満たした賃金が必要だ」と発言した。

オバマ氏は7月末、法人税減税やインフラ投資の拡大を通し、雇用を拡大させる案を議会に提出した。一方、高齢者医療保険や社会保障の充実を目指していることもあり、歳出は増えるのみだ。5月には連邦政府の債務が法定の上限に達し、歳出削減案が合意に至らなかったため、予算の強制削減が始まった。さらに、10月にも強制削減の第2弾が実行されるとの見方も出ている。

オバマ氏は富裕層増税や年金給付の抑制で強制削減を回避したい意向だが、このままでは向こう10年で、1兆1000億ドル(約100兆円)の歳出削減が行われる予定という。米国財政の立て直しには、根本的な対策が必要だ。

ただ、富裕層に増税をかけることによって米国財政を立て直すことは難しいだろう。富裕層が有効な投資ができなくなれば、新しい事業への投資や起業が滞り、雇用を生み出すことが難しくなってしまう。結局は、経済全体が停滞し、国民の雇用を減らし、所得を引き下げることになりかねない。

大川隆法・幸福の科学総裁は、本誌2013年1月号の「未来への羅針盤」のなかで、「オバマ氏の主な問題点は、雇用を生み出す方法を知らないこと」と指摘した。弁護士やソーシャルワーカーとして働いていたオバマ氏には、企業経営の概念や知識が欠けているため、マネジメントに関しては優秀なブレーンを確保することをすすめている。

キング牧師は50年前の演説のなかでこう訴えている。

「私には夢がある。いつの日か、この国が立ち上がり、『我々はすべての人々が平等につくられていることを、自明の真理と信じる』というこの国の信条を、真の意味で実現させることだ」

キング牧師の「夢」とは、オバマ氏のように、お金持ちに重い税を課し、そのお金によって社会保障がまかなわれることではないはずだ。すべての人々にチャンスの平等が保障されていて、努力次第で誰でも成功できるという「自由」の実現こそ、アメリカの目指すべき道だろう。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『バラク・オバマのスピリチュアル・メッセージ』 大川隆法著

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