日産自動車は20日、米カリフォルニア州でのイベント「Nissan 360」で、人間が運転しなくても目的地まで自動で走行する、自動走行車の技術を発表した。22日付日経新聞などが報じた。

試作車は電動自動車「リーフ」をもとにしたもので、周囲360度の障害物を調べられるレーザーやカメラを搭載しており、これらから得られる情報をもとにして人工知能が運転する。イベントでは、両隣の間隔を維持しながら走る、交通法規に照らして適切に交差点を通過したり曲がったりする、対向車を認識しながら路肩駐車の車両を追い抜く、などのデモンストレーションが行われた。

日産は今回の発表で、この自動走行車の実用化の時期を明らかにしていないが、カルロス・ゴーン社長は、自動走行車を2020年までにショールームに出すと意欲を示している。

自動走行車のメリットは、事故や渋滞が減ること、燃費が良くなることなどが挙げられる。一方で、アクセルを踏み込む時の加速感など、運転の楽しみが減るのではないかという懸念もある。自動走行車同士の事故が起きた場合に、責任がどちらになるかという法整備などの課題もあるという。

しかし、自動走行車は世界中で実現に向けて進んでいる。米グーグルの無人走行車が技術的に先行しているほか、ドイツのフォルクスワーゲンや、イギリス、ドイツ、イタリアの大学も研究している。市場調査を行う米ナビガント・リサーチは、2035年には自動走行車の世界での販売台数が1億台にも達すると試算している。

公道での走行許可も問題になるが、国土交通省は2020年をめどに、高速道路に限定して車が自動走行できる状態を目指すという。海外に目を向けると、アメリカではネバダ州やフロリダ州、カリフォルニア州で、公道での無人自動走行のテストを認める法案が議会を通っている。

ただ乗っているだけで自動車が目的地まで連れて行ってくれる、夢のような時代が近づいている。"ハンズ・フリー"でドライブを楽しめる日も、そう遠くないのかもしれない。(居)

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2011年7月16日付本欄 グーグル自動運転カー開発

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