米ニューヨーク・タイムズ紙の国際版であるインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙が24日付で、米航空宇宙局(NASA)がワープ航法の研究をしていると紹介した。ワープ航法とは、SFに登場する超光速航法のひとつ。紹介されている航法は、宇宙船の前方に真空をつくり、船が吸い込まれるように前に進むという原理のものだ。同記事を抜粋、要約する。
- NASAのハロルド・ホワイト博士らは、光子を小さくワープさせ、それを観測する装置を開発している。この実験装置は非常に繊細で、小さな地震や人の足音の影響まで受けるため、地下に実験室をつくり、地面から浮かせた装置の上に設置している。NASAはこの研究に5万ドル(約500万円)の予算をつけている。
- チームの研究の焦点は、光速を超えるワープ航法が可能かどうかだ。そう、映画「スター・トレック」のような、ワープ航法だ。
- このプロジェクトの責任者であるホワイト博士は、「137億年前のビッグバンの時、ある宇宙モデルでは、最初期には爆発的なインフレーションが起き、ある二つの地点がものすごいスピードで離れていきました。自然にはできたことです。我々にもできるのではないでしょうか」と語る。
- メキシコのミゲル・アルクビエラ博士が1994年に発表した理論に基づけば、宇宙船の前方に真空(ワープ・バブル)をつくると船がその方向に引き込まれ、光速を超えることができるという。ホワイト博士はこれを「動く歩道の上を歩くようなもの」と例える。
- 研究の将来について、NASAのジョンソン宇宙センター技術部門の副理事であるスティーブ・スティッチ氏は「40年前、iPhoneは『スター・トレック』の中のものでした。しかし、今では現実になっています。電池やソフトウェア、タッチスクリーンなどの技術が進んだからです」と語る。
- 一方で、アルクビエラ博士は「どのように装置を起動させるのか」という根本的な問題を持ち出し、「光速を超えると、ワープ・バブルの前面には船からの信号が届かなくなります。これは、装置を止めることができないという問題ではなく、もっと悪いことに、装置を起動させることもできないということです」としている。それに対し、ホワイト博士は、「彼の考えは高く評価しています。しかし、彼のすべての報告に同意できるかは分かりません」と語る。
映画「スター・トレック」の中ではワープ航法に2063年に成功している。現実世界ではそれ以降になりそうだが、本気で実現しようという人がいる限り、あり得ることだろう。宇宙探検の夢が広がる航法の実用化を、楽しみに待ちたい。(居)
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