台湾は22日、日本の台湾領有時代に関する公文書上の表記を、「日本による支配」という意味の「日據(にっきょ)」に統一することを決めた。24日付各紙が報じた。

「日據」は国民党独裁時代に使われていた表現で、その後、親日的な李登輝政権時代には、「日本による統治」という意味の「日治」と、中立的な表現に変わっていた。

日本の台湾領有時代の表記に関する問題は、台湾の一部出版社が「日據」を使用した歴史教科書を申請したことで、有識者などが「日治」への変更を求めて論争になった。今回の決定に合わせて、歴史教科書の表記は「日冶」「日據」の両方が認められる形となる。

今回の決定の背景には台湾総統・馬英九氏の中国に対する配慮があるとする見方がある。

今年の4月、馬総統の意向を受け、台湾軍は中国の侵略を想定した軍事演習を行った。また馬政権は日本との漁業協定を締結するなど、反中・親日姿勢を示していた。しかし、馬総統は今月に入って中国国家主席の習近平氏との会談に前向きな姿勢を示した。そもそも馬政権はこれまで、台湾と中国の直行便の開通、中国への直接投資など、親中政策の"実績"がある。

このまま、台湾が親中路線を突き進むと「台湾の中国化」がはっきりしてくる。共産主義圏に呑み込まれれば、台湾の民主主義が失われることになる。

台湾が選ぶ未来は二つに一つだ。覇権主義に出る独裁中国に屈するか、または自由世界である日本などと連携するか。台湾は自国の未来をはっきりさせるべきだろう。(徳)

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