映画「風立ちぬ」公開を20日に控えたスタジオジブリが、毎月発行している小冊子「熱風」の7月号で憲法改正を特集している。宮崎駿監督らが憲法改正への反対記事を寄稿していることや反響の大きさなどを、19日付の東京新聞が一面トップで紹介した。

宮崎監督は「憲法を変えるなどもってのほか」と題したこの寄稿文で、日本の防衛について「本当に戦火が起こるようなことがあったら、ちゃんとその時に考えて、憲法条項を変えるか変えないかはわからないけれど、とにかく自衛のために活動しようとすることにすればいい」としている。しかしこれでは、中国などの軍事的脅威が迫っていながら、「侵攻されるまで何もしない」ということになる。

また宮崎氏は、「(戦前の日本は)悪かった」と述べ、周辺国に謝罪し、相手国の言い分にただただ従うべきだと考えているようだ。慰安婦問題については「謝罪してちゃんと賠償すべき」としており、領土問題は、「半分に分けるか、『両方で管理しましょう』という提案をする」などとしている。韓国や中国の言い分を受け入れるべきだというのだ。

さらに宮崎氏は、中国がすでに侵略行為に出ていることを考慮に入れてはいないようだ。それは、「中国が膨張しているのは、中国の内発的な問題です。そして、中国内の矛盾は今や世界の矛盾ですから、ただ軍備を増強したり、国防軍にすればけりがつくなんていう問題じゃないと僕は思います」との発言からも伺える。ところが中国は急速な軍拡を背景に、東シナ海や南シナ海で、日本など他国の領土を奪おうとしている。中国の膨張を、「内発的な問題」と片付けるわけにはいかないだろう。

参院選の前日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、主に戦前の日本を舞台とし、戦闘機を設計した技術者と、結核に冒された婚約者とのラブストーリーを描いたものだ。宮崎氏はテレビ番組のインタビューで、この映画を今描く理由として、「また同じ時代が来たから」と答えている。要するに、先の戦争の反省をふまえてつくられた憲法9条が改正されれば、また戦争の時代に逆戻りするのではないかということだろう。

映画「風立ちぬ」が公開されるのは、参院選投票日の前日という絶妙のタイミング。「熱風」の品切れが続いたということで、スタジオジブリは宮崎氏らが寄稿した「憲法改正」の特集記事を18日にネット上でPDFデータとして公開するなど、拡散に余念がない。スタジオジブリは、憲法9条改正に反対し続けてきた東京新聞とタッグを組んで“選挙活動"でもしているのだろうか。

この記事を紹介した東京新聞を発行するのは中日新聞社だが、なぜ同社は憲法9条改正の反対にこだわるのだろうか。その背景を、19日から一部書店で発売されている『「中日新聞」偏向報道の霊的原因を探る 小出宣昭社長のスピリチュアル診断』(大川隆法著)が明らかにしている。大川隆法・幸福の科学総裁が小出宣昭・中日新聞社社長の守護霊を招霊してインタビューした同書で、小出社長の守護霊は、「中国は平和を愛する諸国民だから、大丈夫。日本みたいな侵略行為はしませんよ」と中国への「信頼」を表明。“平和国家"である中国に対して、国防強化の必要はないとの立場を示した。

ちなみに、東海地方で7割のシェアを占める中日新聞は、憲法9条改正を訴える幸福実現党の候補者を報道しないという偏向報道を続けている。その理由として小出社長の守護霊は、同書で「中国を敵視するような政党を助長するようなことは、日本の将来にとっては望ましくはないという感じの判断はしている」との本音を明らかにした。

戦後の日本が平和を保てたのは憲法9条があったからではなく、日米安保条約があったためである。この事実から目をそらし、国防を軽視することで中国などの侵略行為を助長してはならない。戦後70年近くが経ち、中国や北朝鮮の脅威が現実のものとして迫るなか、日本は憲法9条を改正し、主権国家として自国の防衛に責任を持つべきだろう。

良識ある有権者であれば、宮崎氏のように「やられてから考える」といった無責任な話を真に受けてはいけないことが分かるはずだ。現実的にどうすれば、中国や北朝鮮の暴走をとめ、戦争を未然に防ぐことができるかといった観点で憲法9条改正の議論を深めるべきである。(晴)

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【参考サイト】

スタジオジブリ出版部サイト 小冊子『熱風』7月号特集 緊急PDF配信のお知らせ

http://www.ghibli.jp/shuppan/np/