そんな興味深い研究を紹介しているのは、米CNNの宗教ブログサイト「Belief Blog」の6月28日付記事だ。早速、要点を紹介。

  • イリノイ大学の社会心理学研究者らが、ツイッター上のキリスト教徒と無神論者のメッセージを比較分析した。結論は「信仰者は無神論者よりも幸福である(believers are happier than their counterparts)」。
  • 彼らは1万6千人以上のユーザーによる2百万件以上のツイートを、単語に注目してプログラム解析した。その方法は、クリスチャンと思われる人々として、ローマ法王ベネディクト16世、ジョエル・オスティーン(米国のテレビで大人気の牧師)、リック・ウォレン(オバマ大統領の就任式を務めた著名牧師)など著名なクリスチャン5人のツイートをフォローしているユーザーについて分析。無神論者と思われる人々として、リチャード・ドーキンスほか無神論を提唱する著者ら5人をフォローしているユーザーについて分析した。
  • その結果、クリスチャンは「愛(love)」「幸せ(happy)」「偉大な(great)」「家族(family)」「友だち(friend)」「チーム(team)」など、肯定的感情、人間関係、直感的な考え方を表す単語をしばしば用いていた。一方の無神論者は「悪い(bad)」「間違い(wrong)」「ひどい(awful)」「考える(think)」「理由(reason)」「疑問(question)」など、分析的思考や否定的感情に関する単語をクリスチャンより多く用いていた。
  • この研究者らによれば、単語の選び方による推測は、皮肉な意味でその言葉を用いている場合もあるため、完璧とは言えない。それでもやはり、その人の考え方の枠組み(mindset)をある程度反映している。
  • この研究者らが示した先行研究によれば、分析的な考え方は「楽観主義や肯定的自己像などを抱く能力を減少させる。そうした能力こそ、健全な心(good mental health)の特徴なのだ」。また、人々との交際やつながりを表す単語は、クリスチャンたち相互の結びつきの強さを示すものであり、幸福度を示すモノサシ(indicator)である場合が多いという。
  • 無神論者側からは、恣意的な分析に過ぎないとの批判も上がっているが、今回の研究者は「これは仮定などではなく、データの中に見出されたパターンなのです」と述べている。

記者が以前から目にしている範囲でも、宗教や神の愛を信じる人は、自らの信条を、愛と善意をもって情熱的に伝えるのが常だ。だが「愛と善意と情熱をもって無神論を広める人」には、ついぞお目にかかったことがない。著名な無神論者の本も、疑いや皮肉、信仰者を見下すトーンなどから成り立っているものが大部分だ。信仰と無神論のどちらが真実なのかという問いの答えは、それぞれの考え方がもたらす「愛」や「幸福」という果実の違いを見れば明らかではないか。(司)

CNNの同記事はこちら

http://religion.blogs.cnn.com/2013/06/28/christians-happier-than-atheists-at-least-on-twitter/

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