与野党9党の幹事長らによる討論会で、自民以外の8党がすべて「原発ゼロを目指す」と主張した。30日付各紙が報じているが、自民党以上に「原発推進」を早くから訴えている幸福実現党を報道していない。これが国民の「知る権利」を著しく奪っていることをマスコミ各社は知らねばならない。

この討論会は、参院選の主要な争点となる憲法改正、原子力政策、経済・景気対策などで各党の主張を示し討論したもの。各紙が大きく掲載しているから、有権者にとっては各党の主張を知るための判断材料となるだろう。

原子力政策については、「原発ゼロを目指すか」の問いに対して、「○」か「×」のボートを差し出した結果、自民党以外の8党がすべて「○」だった。

民主党の公約では、昨年末の衆院選に続き、「2030年代の原発稼働ゼロを目指す」としている。

日本維新の会も同様に「原発は2030年代までにフェードアウトさせる」としている。

自民党の石破茂幹事長は、「原発依存度は下げるが、単に減らすだけでは経済の活力が出ない」としているが、自民党の公約では次のように述べている。

「原発の安全性は原子力規制員会の専門的判断に委ねる。国が責任をもって、安全と判断された原発の再稼働は、地元自治体の理解が得られるように最大限努力する」

要するに、自民党も、原発は減らしていくと言いつつ、再稼働もしたいという、どっちつかずの態度だ。

その他、公明党、みんなの党、共産党、生活の党、社民党、みどりの風と、小政党も含めて9党の主張を各紙は載せているが、どう見てもおかしいのは、2011年3月の福島第一原発事故直後から、「脱原発の危険性」と「原発推進」を主張し続けてきた幸福実現党について、どのマスコミも報じていないことだ。

昨年には、首相官邸前に毎週、脱原発デモが押しかけ、マスコミ報道もあって日本全体が「脱原発一色」に染まったかのような空気だった。しかし、幸福実現党有志が「原発推進デモ」を首相官邸前をはじめ全国各地で繰り返すことで、当時の野田佳彦首相も「直ちに脱原発」の声を跳ね返すことができたのだ。また、自民党に対しても幸福実現党の主張が力を与えたことは間違いない。

マスコミが報じないところで、この国の大事な方針が決まっている。それを動かしているのは実は幸福実現党である。自民や民主、維新の会の今回の公約の中身も、幸福実現党の主張がマスコミに報じられないことをよいことに、「いいとこ取り」しているものが数多くある。

だが、このような「他党の公約を盗む」という「議会政治のルール破り」を、いつまでも許しておくわけにはいかない。マスコミも、議席がないとか、政党助成金を受けていないなどという些末な理由で幸福実現党を扱わないことが「国民の知る権利を侵害」していることを、いいかげん知るべきだろう。(仁)

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