アフリカから15カ国の資源担当大臣が来日し、アフリカの資源ビジネスについて日本企業と話し合う「国際資源サミット」が16日と17日の両日、都内で開催された。16日付産経新聞などが報じた。

報道によると、茂木敏充経済産業相は開会後の講演で「資源開発に関連する人材、資金、技術、インフラ整備などの重要な課題を、日アフリカの関係を強化することで解決していきたい」と話した。

アフリカの人口は現在11億人だが、2050年には20億人まで増える見込みであり、「最後の巨大市場」とも呼ばれて期待されている。

そのアフリカに今、最も進出しているのは中国だ。資源の需要が大きい中国は、アフリカの国々に投資して資源を開発し、石油などを輸入している。習近平国家主席は新体制発足直後の3月、アフリカ3カ国を訪問してアフリカを重視していることをアピールした。

しかし、アフリカ各国からは中国のやり方に対して「新植民地主義だ」と非難する声も上がっている。中国の投資事業の下請けが中国企業だけだったり、中国の安い製品が輸入されて国内の雇用が失われているという。そうしたことから、中国が最も力を入れている南アフリカでは、この10年で8万人の雇用が失われたともいう。

日本は中国を追いかける形で、アフリカへの直接投資額をこの4年で2倍に増やしたが、それでも中国のおよそ半分にしかなっていない。

日本は今回のサミットや、18日に開かれる日アフリカ資源大臣会合、6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD)など、官民挙げてアフリカへの日本企業の進出を後押ししていく。TICADへの日本企業の参加社数は72社と、5年前の前回に比べ7倍に増える見込みで、日本企業のアフリカへの関心の高さを物語る。資源開発やインフラ、人材育成などに強みを持つ日本企業らがブースを設置し、アフリカ各国にアピールするという。

アフリカの国々も、日本企業と組んだ方がメリットが大きいだろう。

2000年にモザンビークでアルミ精錬会社を立ち上げた三菱商事は、現地で1000人の雇用を生み、またその収益の一部を地域発展基金に投じて、医療や教育に毎年2億4千万円を当てている。基金を続ける理由は、「社会貢献活動がカントリーリスクを減らすことにつながる」からだという。

日本企業は、アフリカ各国の成長が、自社の事業継続にとってプラスになるととらえている。ここが中国と大きく違うところであり、日本企業がアフリカで今後も歓迎される要因になるだろう。(居)

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