米ヒューストンで開かれた「第46回ヒューストン国際映画祭」で、現地時間20日夜、日本の長編アニメ映画「神秘の法」(2012年、監督・今掛勇、幸福の科学出版作品)が「スペシャル・ジュリー・アワード」(審査員特別賞)を受賞した。これはグランプリに次ぐ栄誉ある賞で、日本の長編アニメとしては初の快挙である。

同映画祭は1961年の創設で米国第3の伝統を持ち、有名になる前のスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、リドリー・スコットら大物監督が受賞するなど、新進監督の発掘に定評がある。世界中から4000を超える応募があり、今年はその中から長編51作品、短編107作品が選出。「神秘の法」はグランプリ候補として最終選考まで残り、受賞に至った。

「神秘の法」は昨年11月、第85回米国アカデミー賞長編アニメ賞の審査対象作品となったのをはじめ、世界で注目されている。ヒューストンでも同作への関心や評価はきわめて高く、地元メディアは映画祭オープンにあたって「見逃せない5本」のトップに「神秘の法」を挙げ、「202X年、アジアに軍事大国ゴドムが生まれ、かつての超大国アメリカはすでに力を失い国連も無力になっているという、非常に挑発的なプロットから始まる」と注目。14日の「神秘の法」上映会の冒頭には映画祭の最高責任者が、「実に美しく仕上がっており、ユニークなメッセージ性のある作品なので、この映画祭で上映できることを大変光栄に思います」とコメントした。

上映後、観客は興奮気味に次のような感想を語った。

「何度も泣きました。いちばん大切なものは愛、信仰、理解など、目に見えないものであることが分かりました」

「主人公の演説シーンが素晴らしかった。聞いていて自分自身、『人はなぜ、どのように良くなるべきなのかを伝えたい』という意識に変わっていきました」

「通常のアニメは善と悪の戦いを扱っているが、この作品はそれを超越している」

「私たちは今、あらゆるところで深刻な問題を抱えています。この映画が、正しい方向に向かうための一歩になると思います」

愛、信仰、自己変革、善悪、正しさなど、同作品の核をなす普遍的メッセージが、国を超えて米国の映画ファンや審査員の心に届き、受賞につながったようだ。

ヒューストン国際映画祭等の「神秘の法」関連映像はこちら(約5分)
http://youtu.be/Ajjw9wwwLmg

同作品は今後も全世界で上映やテレビ放映を予定している。上記の地元メディアは「これまで日本のアニメはジブリの作品を除けば、胸の大きい女の子ばかり出てくるのであまり見る気がしなかった」と皮肉っているが、ジブリともカワイイ系とも違う普遍的な思想性を持つ日本発の「神秘の法」が、アメリカを含めた全世界にさらなる衝撃と感動を与えることだろう。(司)

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